まあ,謎ってわけじゃないんだけど,とりあえず単位系についてちょっと.
最近,福島原発事故報道で良く出てくる線量当量の単位である
マイクロシーベルト(μSv).
これについては「毎時」であったり「毎年」であったり「毎回」であったりと
何となく騙されているような気がする.
原発 | 1557.5μSv/時 |
CTスキャン | 6900μSv/回 |
自然被曝 | 2400μSv/年 |
そんなことを考える人はいるようで,こんな記事がある.
原発1基で日本全土たちまち放射能汚染
―「週刊朝日」背筋寒くなる警告 (1/3)
この記事の2ページ目にあるように
1557.5μSv/時×24時間×365日
=13643700μSv/年
=13643.7mSv/年
となるため,日本の年間被曝量である1.2mSv/年の
1万倍*1になるんじゃないのかと.
でも,これはちょっと待って欲しい.
まず,原発の計測値は一時的な値であること.
次に,被曝量の人体への影響は総量によるものであること.
例えば,CTスキャンはこの原発の値の4.6倍の放射線を
瞬間的に浴びることになる.
とすれば,この原発の値で影響があるなら,日本中の
CTスキャンを受けた人が病気になっていることになる.
これは少なくともさすらいびとの知っている日本の現状とは違う.
また,一日で100km進むと病気になる降りられない車を
想像してもらいたい.
その車が1分間時速100kmを出したとき,100km先にいきなり
到着して病気になってしまうのだろうか.
こんなことも,さすらいびとの常識では見たことも聞いたこともない.
もちろん,疎開するのは自由だし,リスクに対してかけるコストは
人によって違うのだから,どうするのかは最終的には個々人が
判断すればいいのだろう.
リスクの判断に際して,参考にこんな記事も紹介しておく.
「退避すべきかとどまるべきか」放射線被ばくを深く心配されている方々へ
(2011年3月17日午後時点の情報を踏まえて)
少なくともアラフォーより年配の人による意図せぬ大量人体実験で
30年ぐらいは問題がない事は証明されている.
ちなみにアラフォーのさすらいびともその一人と言うことだけどね.
*1 記事では通常被曝量の1万3千倍とあるが計算が間違っている