なんとなく思い出ったんだけど,よくマイクのテストで言う「本日は晴天なり」って誰が言ったんだろう.
これの元になっているのが英語の"Today, it's fine."なんだけど,これをいう理由は明確.
正しく発音してみると分かると思うけど,摩擦音や破裂音が混じっていて聞き取りにくい発音が連続しているから,マイクの音を確認するのに使える.
"Test, test, test"もより簡単にしただけで同じ理由.
でも,「本日は晴天なり」は違う.この言葉が聞こえても聞き取りにくい言葉が聞こえるとは思えない.
むしろ,こにょごにょいう感じでもそれなりに聞こえるぐらい.
どこかのおばかが直訳したんだけど,それを後生大事に使い続けているって言うのもまったく理解不能.
それにどちらも英語用のもので日本語の聞き取りにくい言葉のテストではないのは同じ.
まあ,英語のまま,きちんと発音した声を確認すればまだまし.
同じようななものに,眠れないときに言う「羊が一匹,羊が二匹,…」がある.
これは英語の"sheep"が"sleep"を連想させるというもの.
つまりは「眠れ,眠れ」と自分に暗示するようなものということ.
だから,日本語で言っている限りなんで眠くなるのかわからない.というよりも,眠くなる理由がない.
もし,これで眠くなるなら羊でも,犬でも,サルでも一緒のはず.
まあ,単純作業で眠くなるかも知れなけど,数が大きくなるとかえって眠れなくなるだろうね.
さらにこれは最近知ったんだけど,何かの番組で「日本の家はウサギ小屋」というのも同じらしい.
これもフランス語の都市型の集合住宅,いわゆる団地のようなものを現す慣用句"cage a lapins"を英語にする際に直訳して"rabbit hutches"としたのが日本に戻ってきたものとのこと.
狭く感じるのは特に高度成長期以降,家の大きさの割りに屋内にものが多くなった所為だろうね.
ほとんどの家の各部屋にエアコンとテレビがあるって国自体少ないでしょ?
とにかく言葉は文化や風俗を反映するものだから,単に「直訳」するんじゃくんてきちんと「意訳」しないとだめだね.
よく英語が出来ると通訳できるみたいに言うけど,どちらの文化にも通じていないと本当に正しく訳せない.
国際会議なら事務的なことだけだからレベルが低くてもいいけど,文化交流ならなおさら難しいね.