とりあえず,この業界人の常識として読むべきかと思い,あまり気が進まないながらも入手.
内容的には,ラショナル統一プロセス(Raional Unified Process, RUP)を拡張したエンタープライズ統一プロセス(Enterprise Unified Process, EUP)
についての概要説明.
EUP
はRUPが開発のみにであるのに対して,その前後のIT全般にかかわるプロセスについてのもの.
EUP
自体は至極妥当なというか,当たり前のことをまとめただけといったところ.
まあ,UPも当時既にwaterfallといいつつも,実際には現実的な開発を行っていたところでは反復(のようなもの)を行っていたものを,きちんと体系化してまとめたというものだとの指摘があるように,これもそういったもの.
体系化,プロセス化はともかく,企画し,開発し,保守し,最後に廃棄するというのは,実際のITライフサイクルでは必須のもので,何らかの作業は行っていたはずだからね.
Agile MethodologistのAmblerらしいと感じたのは,文書化に際してやり過ぎないように随所に注意が書かれていたところ.
恒久的に同じ人がかかわることがない以上,何らかの情報伝達手段が必要で,そこには有史以来ともいえるの文書化が必須.
でも,限度を超えると「情報伝達のための文書化」から「作業のための文書化」という本末転倒の状態になるのは洋の東西を問わずといったところか.
きちんと読んだほうが良いとは言い難いが,業界人の常識として,一通りは目を通し,用語ぐらいは一応知っておくのは必要かな.
- エンタープライズ統一プロセス/Scott W. Ambler
- ¥4,725
- Amazon.co.jp