ＰＬ学園、「最後の夏」終わる＝初戦で惜敗、休部へ－高校野球
2016年07月15日21時36分
全国高校野球選手権大阪大会で東大阪大柏原に敗れ、グラウンドに一礼するＰＬ学園の選手＝１５日、大阪府東大阪市の花園中央公園野球場
第９８回全国高校野球選手権大阪大会は１５日、大阪府東大阪市の花園中央公園野球場などで行われ、甲子園で春夏計７度の優勝を誇るＰＬ学園が初戦の２回戦に臨み、東大阪大柏原に６－７で敗れた。昨年度から新入部員の受け入れを停止しているため、今年の部員は３年生だけの１２人（記録員１人を含む）。部員募集再開のめどは立っておらず、名門野球部はいったん休部となる。
選手たちは大勢の観客で埋まったスタンドからの声援を背に、好ゲームを展開。伝統のユニホームを着て力を出し切り、「最後の夏」が終わった。
かつての代名詞「逆転のＰＬ」をほうふつさせた。３点を追う六回に２点を返し、右翼に回っていた藤村哲平投手が七回に２ラン。先発して二回途中で捕手の梅田翔大主将に救援を仰ぐなど結果を出せていなかったが、一振りで挽回した。
全国高校野球選手権大阪大会で東大阪大柏原に敗れ、泣きながらチームメートと抱き合うＰＬ学園の梅田翔大主将（右）＝１５日、大阪府東大阪市の花園中央公園野球場
しかし、直後に追い付かれ、八回に勝ち越し点を許す。粘り強く投げていた梅田主将は「投げ急いでしまった。悔しい。１回でも多く校歌を歌いたかった」と涙に暮れた。
ＰＬ学園は２０１３年に部内暴力で対外試合禁止処分を受け、当時の監督が退任。その後は野球経験のない校長の監督兼務が２代続いた。２月に就任した剣道部出身の川上祐一監督は「選手は精いっぱい頑張った。下を向かず胸を張ろう、と言いたい」とねぎらった。
◇ＰＬ学園の横顔
ＰＬ学園 大阪府富田林市にある１９５５年創立の私立校で、宗教法人「パーフェクトリバティー（ＰＬ）教団」が母体。野球部は５６年に創部。甲子園は春に２０度出場して優勝３度（８１、８２、８７年）、夏は１７度の出場で優勝４度（７８、８３、８５、８７年）。８７年は春夏連覇を達成した。甲子園での春夏通算９６勝は中京大中京（愛知）の１３３勝、龍谷大平安（京都）の９９勝に続く歴代３位。２００９年の春夏を最後に甲子園に出場していない。
◇ＰＬ学園野球部の歴史
１９５５年 学校創立
５６年 野球部創部
６２年 甲子園初出場の選抜で８強
７８年 夏の甲子園初優勝。「逆転のＰＬ」と呼ばれる
８１年 吉村ら擁し選抜初優勝
８２年 選抜連覇
８３年 桑田、清原の「ＫＫコンビ」が１年。夏の甲子園優勝
８５年 「ＫＫコンビ」が３年。夏の甲子園優勝
８７年 立浪、片岡、野村らで甲子園春夏連覇達成
９８年 夏の甲子園準々決勝で延長十七回の末、横浜に惜敗
２００１年 部内暴力で６カ月間の対外試合禁止処分受ける
０９年 春夏連続出場を最後に甲子園から遠ざかる
１３年 部内暴力で６カ月間の対外試合禁止処分受ける
〃 監督が退任（以降は野球経験のない監督が３代）
１４年 翌春の新入部員受け入れ停止を決定
１６年 部員募集再開せず、３年生のみで夏の大阪大会敗退