「太刀魚鎧童子」けんがいどうじ 油彩・キャンバス SM 2015年 | 渡辺つぶらの「八百万神図」ヤオヨロズ

渡辺つぶらの「八百万神図」ヤオヨロズ

画家の渡辺つぶらです。
八百万神世界を油絵で描いたり、立体作品作っています。

「太刀魚鎧童子」けんがいどうじ 

油彩・キャンバス SM 2015年

 

こちらの作品は 国宝「信貴山縁起絵巻」

中巻「延喜加持之巻」の中に出てくる

剣でできた鎧を身につけた剣鎧童子をモチーフにした作品です。

 

高僧や修験道の行者・山伏たちが使役する神霊・鬼神を護法童子といいます。

 

剣鎧童子は 信貴山の毘沙門天の護法童子として、

命蓮上人による醍醐天皇の病気平癒の加持祈祷により出現し、

たちまち天皇の病は癒されたそうです。

 

17歳で逝った愛犬佐助は 10歳すぎたあたりから

アレルギーがひどくなり、ドックフードを食べることが出来なくなりました。

 

佐助の主治医と相談して、一時期 完全手作りフードをつくっておりました。

 

アジ、イワシは アレルギー反応をおこさなかったので、

圧力鍋で煮て、骨ごとディップ状にしたものに米、野菜等を

混ぜた「犬まんま」を 作っていました。

 

その当時は 家の近くに野良猫がたくさんいました。

 

大抵ののら猫は 私に染み付いた犬臭?(犬がいなかった時がありませんでした)で 寄ってきてくれなかったのですが、

佐助の犬まんまを作り始めたら、にゃーにゃーと

人生初めての猫に好かれる!わらわら寄って来る!というのを体験しました。

 

剣鎧童子の剣の鎧が 太刀魚ならば、亡くなって空にいる野良猫たちも喜ぶのではと思い、この作品を描きました。

 

今は 佐助もいなくなり、近所の野良猫もいなくなり、

夏空に彼らの姿を探したりしています。