「平家ブルース」(改2)作詞/オサムサバト | オサムサバトの作詞ノート

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路上ライブのレポート、詩や歌詞を載せてます。
2015年5月16日から、柏で路上ライブ始めました!
若い頃に出来なかった、やり残した事をやり始めました。
このブログでは、主に
路上ライブで知り合った人の話しなどや、詩作に関する事などを載せてます。

「平家ブルース」(改2)
作詞/オサムサバト

祗園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす


おごれる者も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
ひとえに
風の前の塵に同じ


平家ブルース、今も昔も
平家ブルース、悩みは同じ
人の世は
死ぬ日が来るまでの
悪あがき


祇園の鐘がゴーンと鳴ったら
ゲームオーバーだサヨナラだ
真っ赤な花もしおれて落ちる
皆同じだって言ってんのさ


勝ち組だって威張っていても
桜散ったら宴は終わり
道を踏み外し地獄に落ちる
チリは積もらず
ひゅるりら ひゅるり


平家ブルース、今も昔も
平家ブルース、宴が大好き
賽の河原
鬼を集めて
バーベキュー


(間奏)


平家ブルース、今も昔も
平家ブルース、煩悩かかえて
落武者は
今日も墓場で
運動会



***************


※正式な曲名は「平家ブルース」だが、分かりやすさの為に「物語」という文字を入れておいた。
色を着ける前に、このイラストを見て「ひらやブルース」と読んだ人が、実際にいたのだ。


【蛇足的な解説】

前回の歌詞に、とりあえずコードを付け歌い始め、何人かに聴いてもらった。

コード進行は、いわゆるブルースの曲によくある感じで、
「俺はゴキブリ」や
「会社を辞めたくなる時」と
けっこう似てしまっているが、その点はあまり気にしていない。


・・


さて、
試作段階を聴いてもらって、まあまあイイ感じの反応だった。
しかし、歌い慣れずメロディも固まってないせいもあるが、
ボク自身は、


何かしっくり来ない


何か物足りない


何か面白くない


そんな感じがしていた。


「平家物語」をブルースに乗せるアイデアは、それだけでイケテルと思う。
少々飛躍した口語訳を付けるのも、ワルくないと思う。

ただ、最初の歌詞では、
平家物語の教訓を、現代にどう活かしたら良いか?
という「問いかけ」みたいな感じになっている。

それでは、まるで普通な発想で、どこか上から目線だ。

普通な発想で、上から目線な歌が、ウケるはずがない。


要するに
「オチ」らしい「オチ」がないから、面白くないのだと気付いた。
最後に、「うまいこと」を言って、カッコよくシメたいのだ。

もっともっと、ぶっ飛んだ発想が欲しい。


例えるならこれは、


「平家物語」をお題にした
「大喜利」だ。


面白い答えを言って、
座布団をもらいたいのだ。


作詞の方針として、こうする事にした。

平家物語の教訓を、真正面に掲げつつも、歌ってる本人が、その教訓をよくわかってない雰囲気。

あるいは、
教訓を無視して、欲望や煩悩、もしくはナンセンスな方向に走ってしまう。

そういう歌詞の方が、面白いはずだ。


そんな風に考えて出来たのが、今回の歌詞だ。

これで、座布団をくれる人がいるかも知れないが、まだまだイマイチな気もする。

・・


最初の試作品や、少し修正した物を路上で歌ってみて、道行く人の反応を見て、構成を変更する事にした。

最初の歌詞では、半分づつ原文に口語訳を付けていたが、

①番に、
平家物語の原文

②番に、
少々飛躍した口語訳にした。


路上ライブで演る時は、
①番の原文をリピートして歌い、
人が立ち止まってから、口語訳の②番に移る。
そんなやり方の方が、良いのではないかと感じたのだ。

それだけ、原文の「平家物語」の古めかしい日本語が、人を惹き付けるパワーを持っているし、
学校で習っていて、原文を覚えている人が多いので、途中から一緒に歌ってくれる事もあり得る。

実は先日、新しいこの構成で書き直し、改訂1として、試しに路上ライブで歌ってみたのだ。

①番はこの歌詞で、
②番は改訂1と改訂2では、かなり修正した。

そして、
まだまだ、歌も演奏も安定していないにもかかわらず、


うわ、カッコいい~!


と、感嘆の声を漏らす観客がいた。


聴いてくれた人が、そんな言葉を漏らすのだ。①番の歌詞は、もうこれでOKだろう。

②番、☆繰り返し部分は、今回はこんな感じにしたが、修正の余地はまだまだある。
まだまだオチが弱い気がする。
ボク自身、まだ迷いがあり、納得していない。
もっともっと面白くしたい。

面白いのを思い付いたら、どんどん修正するつもりでいる。





※1、沙羅双樹の花の色は、実際には赤ではないようだ。
検索すると、参考写真に、白やピンクの花が載っていた。諸説あるらしい。
歌として印象に残るように、「赤い花」のイメージにした。
赤い花弁が、ヒラヒラと落ちる映像が浮かべば、歌が立体的になるはずだ。

※2、賽の河原(さいのかわら)とは、三途の川(さんずのかわ)の河原の事。