「ウルフィ」
作詞/オサムサバト
ウルフィ更新を待つ
ウルフィ何処にいる?
ウルフィ心を開け
君には世界がどう見えている?
気がつけば更新は途絶えた
重く暗いブログ
いつも「いいね」は一桁
謎の多い文章
過去の記事を読み返す
カミソリの様な言葉
母から物の様に扱われ
父親の顔を知らない
性別さえもわからない
男の心を持つ女か?
微かな化粧品の匂い
あるいはその逆か?
ウルフィ更新を待つ
ウルフィ何処にいる?
ウルフィ心を開け
君には世界がどう見えている?
10月、水鳥の写真
見覚えのある公園
君は近くに住むのか?
足跡をたどる
3月、君は恋をした
狼形のピアス
相手のあだ名はペーズリー
胡散臭いヤツ
4月、心を許す
主語のない文章
雲に隠れる満月
行間の悲しみ
ウルフィ更新を待つ
ウルフィ何処にいる?
ウルフィ心を開け
君には世界がどう見えている?
バスに乗る君を見た
見覚えある横顔
帽子に隠れる表情
揺れる狼のピアス
行き先は「遠い所」
電波すら届かない
横スクロールする街並み
流れるエンドロール
ウルフィ更新を待つ
ウルフィ何処に行く?
ウルフィ心を開け
画面の向こうのウルフィ
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【蛇足的な解説】
何のきっかけだか、たまたま読み始めたブログが、よく分からないブログで、
それでも読み続けていると、
毒親に育てられたらしい事と、何かの発達障害がある人だとわかってきた。
数行の更新が、続く時もある。
やたら長い文章の時もある。
読んでいる内に、その人の頭の中に、迷い込んだ感覚になる。
短い文章でも、更新があれば、生きていると安心するが、
更新がないと、もしかしたら自殺でもしたのではないかと、心配になる。
心配した所で、どこの誰だかわからないのだが。
「ウルフィ」とは、
「一匹狼」のニュアンスだ。
・・
かなり前の話だが・・
詩の書くサイトで知り合った人がいて、作品に、ちょっとした感想などをコメントし合う関係になっていた。
その人が、ガンである事をサイトで告知し、入院し、ついに亡くなってしまった。
その後その人の姉が、彼女の代わりに、彼女が亡くなった事を知らせる更新をしていた。
あらかじめ、最後の更新を任せられる、身内や友人がいればいいのだが、
気が付くと更新が途絶えているブログ等には、得体の知れない寂しさを感じる。