◆オフィーシャル・サイト
◆キャスト
ボーデン刑事:クリス・メッシーナ/トニー(整備工):ローガン・マーシャル=グリーン/ビンス・マコーミック(セールスマン):ジェフリー・エアンド/サラ・キャラウェイ(若い女):ボヤナ・ノバコビッチ/ジェーン・コウスキー(老女):ジェニー・オハラ/ラスティグ(ベテラン警備員):マット・クレイヴン/ ビル・ラーソン(警備員):ボキーム・ウッドバイン
◆スタッフ
監督: ジョン・エリック・ドゥードル/製作: M・ナイト・シャマラン、サム・マーサー/製作総指揮: ドリュー・ドゥードル、トリッシュ・ホフマン/原案: M・ナイト・シャマラン/脚本: ブライアン・ネルソン/撮影: タク・フジモト/美術: マーティン・ホイスト/編集: エリオット・グリーンバーグ/音楽: フェマンド・ベラスケス/
「シックス・センス」のあのナイト・シャマラン監督が製作した映画だというので、勿論、ドキドキするようなサイスペンス、ワクワクするようなどんでん返しがストーリのあちこちに埋め込まれていると期待、早速「デビル」を観賞しました。なんだーよ、えー、これが本当にー、面白くないねーと、悪たれをつきたくなるような駄作でした。
『シックス・センス』 (1999年 脚本・監督・出演) も、 『サイン』(2002年脚本・製作・監督・出演) も、 『ハプニング』(2008年脚本・監督・声優)も、『エアベンダー』(2010年 脚本・製作・監督)も、私は面白かったです、でもこの作品は、これまでのシャマラン独特のドキドキするようなサイスペンスと、ワクワクするようなどんでん返しもない…。
それもその筈です。この作品はシャマランが始めた「ザ・ナイト・クロニクル」シリーズの第一弾で、シャマランが原案と製作を担当し、ハリウッドリメイク版「REC:レック ザ・クアランティン」を監督したジョン・エリック・ドゥードルを新鋭監督として抜擢しているのです。シャマランはこのシリーズで、有望な新人監督や映画俳優たちの発掘を目的にしているようです。シャマランがあたためて来たこの作品は、14ページのアイデア原案から脚本が書かれ、監督選びを始め、キャスティングが練られて完成した。近頃のハリウッドお得意の流れ作業と分担作業による映画製作の手法です。私には、「シャマランおまえもか…!」という批判を浴びせたい駄作の原因です。
ストーリはこうだ。フィラデルフィアの高層オフィスビルで、男が墜落死した。ロザリオを握りしめたその死体は飛び降り自殺と見られる。現場に急行したのが、フィラデルフィア市警殺人課のボーデン刑事(クリス・メッシーナ)。彼は妻と子供を交通事故で失った悲惨な過去を持つ。その事件現場の近隣の高層オフィスビルで、一基のエレベーターが突然停止する。エレベーター内にいわくありげな5人の男女が閉じ込められる。
詐欺師のセールスマン(ジェフリー・エアンド)、財布を置き引きスリする老女(ジェニー・オハラ)、閉鎖恐怖症の黒人警備員のラーソン(ボキーム・ウッドバイン)、離婚訴訟中の若い女性(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)、整備工の元兵士(ローガン・マーシャル=グリーン)が偶然に乗り合わせる。状況は単なるエレベータの故障から不気味な連続殺人事件に一変する。突然停止したエレベーター内で照明が暗くなるたびに、一人また一人と死が襲う…。この様子を警備室の監視カメラで見ていた信心深い警備員ラミレス(ジェイコブ・バルガス)は、「悪魔による仕業だ」と言う。
でも、シャマラン原案の映画アイデアは、それ程の奇抜さもトリックもないのではないでしょうか。エレベーターを舞台とした映画は、フランスの名匠ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」(1958年)があったし、緒方明監督の日本版リメークの「死刑台のエレベータ」もありました。悪霊や悪魔が登場するオドロオドロしい映画は夥しくあります。 このブログの5月に掲載した「ザ・ライト」などこのカテゴリーの映画でしょう…!
『シックス・センス』のシャマランよ、帰ってきてくれ。映画は金儲けの投資対象でも退屈な芸術でもなく、映像の娯楽の筈だ。面白くなければ映画ではない…!