■オフィシャル・サイト
http://www.ogawa-no-hotori.com/
■スタッフ
監督:篠原哲雄/ 製作:小滝祥平/原作:藤沢周平『海坂藩大全』、『闇の穴』/脚本:長谷川康夫、飯田健三郎/ 撮影:柴主高秀/
美術:金田克美/編集:奥原好幸/ 音楽:武部聡志/ 照明:長田達也/ 装飾:大坂和美/ 録音:武進/
■キャスト
東山紀之- 戊井朔之助(海坂藩士)/ 菊地凛子- 田鶴 (朔之助の妹、佐久間の妻)/ 勝地涼- 新蔵(戌井家に仕える若党)/ 片岡愛之助- 佐久間森衛 (海坂藩を脱藩した浪士)/ 尾野真千子- 幾久(朔之助の妻)/ 松原智恵子- 以瀬 (朔之助の母)/ 笹野高史- 助川権之丞(海坂藩月番家老)/ 西岡徳馬- 鹿沢堯伯(海坂藩主家の侍医)/ 藤竜也- 戊井忠左衛門(朔之助の父)/
一日の「映画の日」に川崎のラゾーナにある映画館≪109シネマ≫で「小川の辺」と「復讐捜査線」の2本を見ました。上映時間が早朝8時頃と夕方18時頃と、空白がたっぷりあったので、映画のおまけに駅東口周辺を久々にブラブラと散歩しました。
馴染みのお店などないので、どこかに美味しいラーメン屋さんはないかものかとあてどなく歩きましたが、食べようとすると特に美味しいお店はなかなか見つからないものです。結局、アゼリア地下街の隅にあるどん屋でランチを食べました。先日、アメリカで自殺した伊良部投手が、うどん屋に投資していたというが、近頃、讃岐うどん屋が目だって増えました。地方の田舎に行くと冠婚葬祭に饂飩で饗応する風習がありますが、日本には「饂飩文化圏}と「蕎麦文化圏」があるのかも知れません。最も、そば粉は知りませんが、うどん粉の多くは輸入しているようですね。
さらに、映画の原作本がないかどうか「BOOKOFF」を探しました。結局、棚に並んだ面白そうな題名の古本を5冊、直木賞作家の道尾秀介の『月と蟹』と、動物の感情世界を書いた『ゾウがすすり泣くとき』と、リチャード・ドーキンの『神は妄想である』と、ヒトの性行動を書いた『女と男のだましあい』と、先日見た映画「わたくしを離さないで」のカズオ・イシグロの翻訳本を買いました。これから毎日時間の余裕がありそうなので、やや荷物は重たくなりますが、映画数本分のお金をつぎ込んでしまいました。
さらにまだ時間が残っている…。今日から≪失業中≫なので少し歩いてハロワークにも立ち寄って見ました。原子力がだめならば次のエネルギー政策は「ソーラーシステム」だろうと思い、自然エネルギー装置を製造する会社の事務職か営業の求人募集を検索してみましたが、意外や意外、首都圏での求人は皆無でした。その代わり、「太陽光発電」の職業訓練校募集が見つかりました。10月からここで勉強しようか…と密かに決めました。
「小川の辺」は、藤沢周平原作の時代劇としては8作目の映画化です。「必死剣鳥刺し」(2010年)、「 花のあと」(2009年)、「 山桜」(2008年)、「武士の一分」(2006年)、「蝉しぐれ」(2005年)、「 隠し剣鬼の爪」(2004年)、 「たそがれ清兵衛」(2002年)と、時代劇の好きな私は、映画館でDVDで既にあれもこれも悉く見てました。が、率直な感想を言ってこの作品が一番面白くない映画でした。
「小川の辺」はストーリはこうです。海坂藩随一の直心流の使い手、戌井朔之助(東山紀之)は、家老・助川権之丞(笹野高史)から、親友の佐久間森衛(片岡愛之助)を討つ藩命を受ける。佐久間は藩の農政を痛烈に批判、謹慎処分を受けていたが、突然、朔之助の妹であり、佐久間の妻である田鶴(菊池凛子)を連れて脱藩した。
朔之助の心は、剣友でもある佐久間を撃たなければならない上意と、幼い頃から兄に反抗する負けん気の強い妹・田鶴ー、自分も直心流の使い手でもある田鶴がー、妻として手向かってくる時、どうするか揺れていた。
そんな朔之助に対し、妹を斬ってでも主命に従えと諭す父の忠左衛門(藤竜也)と、藩のためとはいえ兄弟が斬りあう藩命に涙を流し激怒する母の以瀬(松原千恵子)がいた。翌朝、奉公人の新蔵(勝地涼)とともに江戸へ向けて旅立つ。朔之助の妻・幾久(尾野真千子)は、気丈にそれを見送る。
「小川の辺」は藤沢周平の短編「闇の穴」(1977年) と「海坂藩大全」(2007年) から脚本を構成したようですが、ストーリの細部の辻褄があわない…気がしました。
幼少から新蔵と田鶴が兄弟同様に育ち、身分違いの淡い恋心を抱いたとはいえ、田鶴と朔之助との斬り合いの最中に「田鶴さまを斬ってはなりませぬ…」と叫ぶ新蔵
の言動までは許せるが、夫の佐久間が斬り捨てられ絶命した後すぐに、兄・朔之助や家族の父母を捨てて新蔵の腕の中で意中に従う結末は、許せない脚本の矛盾である気がしました。
これを観賞した皆さんは、「小川の辺」をとのように感動しましたか…???