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上映時間: 100分/ 製作国: アメリカ/公開情報: 劇場公開(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)/初公開: 2010年7月31日/ジャンル: アクション・サスペンス/
オフィシャル・サイトhttp://www.salt-movie.jp/
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監督: フィリップ・ノイス /製作: ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ、サニル・パーカシュ /製作総指揮: リック・キドニー、マーク・ヴァーラディアン、ライアン・カヴァナー /脚本: カート・ウィマー /撮影: ロバート・エルスウィット /音楽: ジェームズ・ニュートン・ハワード /
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出演 : アンジェリーナ・ジョリー : イヴリン・ソルト/リーヴ・シュレイバー: ウィンター /キウェテル・イジョフォー: ピーボディ/ダニエル・オルブリフスキー/アンドレ・ブラウアー /
8月に入って週末の土・日に2本の映画を見ました。一本はメアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』の原作で、アニメの「借りぐらしのアリエッティ、」( 米林宏昌監督、脚本: 宮崎駿、丹羽圭子) 。もう一本は、アンジェリーナ・ジョリー主演の、スパイアクション映画「ソルト」。どちらも映画を堪能でき、満足しました。しかし、今回はあのヒロインのアンジェリーナの鋭い瞳、ヤクザ映画の姉さんのようにきつくて、男の心を射抜くようなキラキラした視線が、なんともいえなく魅了されて「ソルト」をとりあげます。
アクションもストーリーも「007」「トランスポータ」なみの格段にハードボイルドな雰囲気です。あの「ボーン・コレクター」(1999年)、「トゥームレイダー」(サイモン・ウエスト監督、2001年)、「トゥームレイダー2」(ヤン・デ・ボン監督、2003年)、「Mr.&Mrs. スミス」(ダグ・リーマン監督2005年)、「ウォンテッド」(ティムール・ベクマンベトフ監督2008年)、「チェンジリング」(クリント・イーストウッド監督、2008年)のアンジェリーナ・ジョリーがまた新しい映画で再び激しいアクションを見せてます。監督は、「今そこにある危機」、アンジェリーナとは『ボーン・コレクター』以来のコンビとなるフィリップ・ノイス。
彼女の出演作品を一列に並べてみると、「チェンジリング」を除いて、アクション、アクション、アクション…です。共演は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のリーヴ・シュレイバー、「2012」のキウェテル・イジョフォー。CIAに立ち向かう孤高のヒロイン、アンジェリーナのリアルでクールで刺激的なアクションに、心臓の鼓動が高鳴ります。
主演は、CIAロシア担当部のベテラン局員イヴリン・ソルト役のアンジェリーナ・ジョリー。あくまで彼女は優秀でインテリジェンスな女性分析官。ある日、突然CIA本部に現われたロシアからの緊急亡命者オルロフを尋問する。パートナーは、直属上司であり、北朝鮮から彼女を救出して恩義もあるウィンター(リーヴ・シュレイバー)。特殊スパイ養成機関の元訓練教官だというオルロフは、アメリカに長年潜伏してきたロシアのスパイが、訪米中のロシア大統領を暗殺すると告白する。彼はこう言った、「わがロシアの誇る優秀なスパイがすでにアメリカに潜入している。彼女の名はソルト」だと。局員は初め亡命スパイの偽情報、混乱を狙ったデタラメ情報、亡命のための偽手形と嘲笑するのだが…。
既に米ソの冷戦時代は終って、私達は、スパイ合戦はもう昔話に近い、懐メロのように思っています。映画の中で米ソのスパイ合戦が登場すると、なにかしら陳腐に見えてきます。
オルロフは、ソ連で優秀な子どもたちを集めて徹底したスパイ教育を施し、訓練に耐えた者だけをアメリカに潜伏させ、一斉に戦争をしかける「Xデー」を何十年も待ち続けさせるという。しかしながら、過去の米ソの冷戦時代にあった実在の「KAプログラム」を下敷きにしているために、余計に映画のストーリは、真実味を帯びてくる。
JFK暗殺の実行犯とされるリー・ハーベイ・オズワルドにはソ連スパイ説が依然として根強いし、つい最近、10年以上もアメリカに潜伏していた元KGBのスパイ10人が一斉に逮捕され、ソ連の美人スパイが話題になったのもまた記憶に新しい事件です。
映画のストーリは、CIAエージェントの「ソルト」は、二重スパイの容疑をかけられる。彼女は、身の潔白を訴えるが聞いてもらえず、追いつめられ、ついに必死の逃亡を企てる。ひとえに最愛の夫の身を案じてソルトは逃走する…。しかし、{ソルト}はオルロフの言葉どおりに訪米中のロシア大統領を暗殺。さらにホワイトハウスに潜入して米国大統領の命を狙うのだが…。最後まで、息をつかせぬどんでん返しのストーリ、拳銃のアクション、逃亡のアクション、カーアクションのめまぐるしい展開が続く。
冒頭の数分間、アメリカのスパイと見なされ逮捕され、いきなり暗い牢獄で傷だらけのアンジェリーナ・ジョリーが、北朝鮮兵士から水攻めと殴打のリンチを受けるシーンから始る。次に二重スパイの容疑をかけられ逃亡する。脱ぎ捨てたパンティで防犯カメラの視界を覆いながらCIAの追跡をかわす…、暴走トラックの屋根から、別のトラックの屋根へ乗り移る…、高層マンションの外壁伝いにジャンプする…、オートバイで車の間を突っ走る…。猛スピードで走る地下鉄車両から外へ飛び出す…、スリリングなアクションが続く。
だが、自宅に夫の姿はなく、何者かに連れ去られた形跡が残っていた…。再び追跡から逃走…。高架道路から飛び降りる、トラックの屋根から飛び込む、地下鉄の窓からから飛び出す、エレベーターシャフトから飛び移る。激しい格闘があり、突然の射撃があり、街を焦がす爆破があり、緻密な暗殺があり…。目の色や髪の色を変えてトコトン逃げる。人相を変え、服装を替え、ついには男装のソ連将校にまで変装して侵入する。アンジェリーナ・ジョリーはとことん楽しませてくれました。ここまで、ハードボイルドのアクションをクールにスリムに演じられる女優は、ハリウッドにはいないでしょう。