東日本大震災から1年が経ち、1台のバスが地面に下りた. 津波で押し流され、宮城県石巻市雄勝町の公民館に乗り上げた大型観光バス. 「これを見ながら頑張ってきた」と話すバス会社社長はこの春、観光事業を再開させる. 車体は、あのバスと同じ海の色にするつもりだ. 10日朝、大型クレーンのワイヤが車体にかけられ、ゆっくりと持ち上げられた. あの日のように雪が舞い落ちる. レブロン ジェームス 公民館2階の屋根から地上に下ろされるまでの数分間、「南三陸観光バス」社長の高橋武彦さん(61)はじっと見守った. 後日、現場で解体され、処分場に運ばれる.