さて先週末の【中山道六十九次】歩き旅2日目は、
木曽路の難所と言われた「鳥居峠」を朝イチで通り抜ける行程。
前日からの雨が残る峠道はよく滑り、路面も草道も空気もズーンと重い。
早朝の電車で向かうはずが、何となく気が乗らず藪原宿に着いたのは午前9時。
気合を入れ直して鳥居峠に挑みました。
JR藪原駅8:55着、降りたのは僕ひとりだけ。
築100年を超えるの駅舎で身支度を整え、スタート。
駅の西側にある一里塚跡、高札場跡の先には名産「お六櫛」問屋。
さらに近くには大火から町を守る防火高壁跡も。
そのまま先を急ぎ地元のお婆さんに挨拶、、、すると「どこから?」
「藪原の駅から来て、これから鳥居峠に向かいます」と答えると、
そこから先、身の上話やら郷土の歴史やら、、、(笑・・・本件は別途)
JR中央西線を跨線橋で越えた先、いよいよ鳥居峠への登り坂。
かつての合戦の地だけあって、何だか本気で怖い。
初めはカラマツ林の中の舗装路、その途中から石畳の道。
ここから比高差200m。先は長い。
身に着けた熊鈴を鳴らして進みますが、苔生して雨に濡れた石畳はよく滑る。
未舗装路の旧国道と交差した先、熊除けの鐘を連打して九十九折れの急登へ。
高度を上げるに従い熊への恐怖感倍増、、、誰か歩いていないかなぁ。
御嶽神社の手前では藪原宿が一望、想定以上の高度感(↑)。
草道でトチノキ群生地を過ぎたら鳥居峠(1,197m)へ到着。
ここでも熊除けの鐘を強烈に連打(笑)、この先は一気に奈良井宿へ。
狭くて暗くて湿気に満ち満ちた下り坂、いくつかある木橋の滑ること滑ること。
鳥居峠の一里塚、中の茶屋跡の先には、
合戦の死者500人以上を葬ったと言われる「葬沢」、深く険しくそして気味悪い。
この付近でこの日初めて老夫婦ハイカーとすれ違い。
ラジオを大音量で流しつつ峠を登っていきました。
その後も下りの九十九折れの山道、トレラン状態で駆け下ります。
そして約600mの石畳を過ぎると舗装路に・・・
やれやれ何とか鳥居峠を過ぎたようです。
所要時間45分、変な汗をかいた45分でした。
雨と汗で全身ずぶ濡れ、指先もシューズとの当りが悪くちょっと痛い。
鎮神社手前でケアしつつ、小休止で気持ちもクールダウン。
本気で疲れました。
この先は奈良井千軒と呼ばれ木曽路随一の賑わいを見せた奈良井宿へ。
ケアを終えて奈良井宿の中へ入っていくと、高札場、枡形。
さらに旅籠屋、酒蔵、本陣跡、そして飲食店や土産屋がびっしり。
巡回バスが街中を走れるほど街道の道幅も広く、
宿内約800m続く宿場風情。よく整備された観光地とも言えます。
JR奈良井駅を過ぎると再び本来の街道歩き。
鳥居峠を越えた安堵感の中、川沿いの穏やかな道をゆったりと進みます。
途中、木曽平沢の街を通過しましたが、
この街道沿いにはこれでもかと言うくらいに漆器店が建ち並び、
こちらも風情ある街並みでした。
そして諏訪神社の境内を抜けて、次の宿「贄川宿」を目指しペースアップ。