昨年の父に続き、

今年は母が逝った。84歳の夏。

ちょうど函館がお盆(7月盆)を迎えるタイミングで。

たぶん、ひとりで寂しくなった父が迎えに来たんだろうと僕は思っている。

「もういいだろう、母さんも闘病生活頑張ったんだ。連れて行くぞ。」

父にそう言われたような気がした。

 

出張先で迎えた朝、ホテルを出ようとしたその時に病院から連絡を受け、

仕事の予定を急遽キャンセル。

東京に戻る新幹線の中で函館へ向かう飛行機の手配、ホテルの手配、

何よりもお寺の住職への連絡、葬儀屋の手配、兄弟・親戚への連絡、等々

そしてやっと飛行機に乗れたのが夕刻。

北へ向かう窓の向こう、鳥海山の頂がポツンと雲の上に。

五稜郭公園を眼下に夕暮曇り空の故郷に到着。

 

急ぎ、実家へ向かうと、すでに妹に連れられて母は戻っていた。

「母さん・・・お帰り。」

最後に会ったのは4月の父の一周忌の翌日、

あの時は元気に会話も出来ていたが、病院からは心肺機能の低下を聞かされていた。

「もう一度だけ、ゆっくり話がしたかったな。」

 

兄弟みんなが故郷を離れてしまっており、弟の到着は翌日。

幸い、母の兄弟がいろいろと面倒を見てくれて助かった。

ただ、函館のお盆の時期が重なったために葬儀の調整がなかなかつかず、

3日後にお通夜、葬儀、そして納骨。

父が逝って1年が経ち、父の待つ世界へ行ってしまった母。

 

「父さんと再会できたかな?」