Believe 33 /Side-S
「ねぇ、」
もっとキテ、と言いたげに雅紀が涙目で俺を見上げる。
「そんなキスだけじゃ、足んないよ・・・」
はぁ、と頬を紅く染めて甘い息を漏らす。
「そんな煽んなって、」
それでなくともさっきから
自責の念と雅紀への愛しさとで
壊してしまいそうな勢いなのに。
「早く・・・、
・・・しょぉちゃんの好きなようにしていいから・・・」
そう言いながら
雅紀の両手がさわさわと俺の腰を撫で上げた。
っは・・・!
「バッカやろ・・・、」
そう言いながら
内心は嬉しさで胸が打ち震える。
「知ンねぇぞ・・・、」
思いっきり誘い顔をして見つめる、
生意気で可愛い瞼に軽くキスをして
そのまま耳から頸(うなじ)へと辿る。
捩(よじ)るカラダを左手で押さえ込んで、
撓(しな)る背中にキスをした。
「ぁ・・・!」
泣きそうな声で反応した雅紀が肩越しに目を合わせる。
「いっぱい啼かせてやるよ、」
そう低く耳元で囁いて
胸に回した手で肌の柔らかな部分を刺激しながら唇で背中を降りていった。
「ふ、・・・っぁ、」
煽ったくせに我慢する雅紀に、
追い詰めてやろうと俄然張り切る。
仕事のことを顧(かえり)みずに
雅紀の身体(カラダ)に紅く華を咲かせていったのは
初めてだった。