(5)
「あは、・・・しょぉちゃ、
なに?僕を泣かせたいの?
もぅ、さっきから・・・、」
息が詰まりそうな空気に耐えられなくて茶化そうとして、言葉を遮られる。
「そうだよ。俺は相葉くんに泣いて欲しい。
俺の前では・・・、
悔しい時は悔しいって、相葉くんに素直に泣いて欲しいと思ってる。」
ドキン、ってした。
翔ちゃん、オトコマエだよ・・・
そんなこと言われたら、
そんな風に言われたら。
「ありがと・・・、でも、大丈夫だよ?」
本当は、大丈夫じゃないけど。
めちゃめちゃ嬉しいけど、
僕はきっと翔ちゃんに感情を許したら
ずっと隠してきたこの想いを止められなくなる。
「・・・、」
「・・・。」
ぎゅうぎゅう力が入ってた翔ちゃんの腕から、力が抜けた。
「俺は・・・
俺は、相葉くんにとって風間みたいな存在にはなれないのかな、」
そう言って寂しそうに笑うから
胸がズキン、って痛む。
「え・・・?」
「・・・悪ィ、・・・実はドームの裏に風間来ててさ、
メンバーで飲み終わったら相葉くんと連絡取って会うつもりだったらしいんだ。」
「あ、うん、・・・そう約束、してたかも。」
「でも風間、今夜はもう来ないから。」
「・・・え?」
「相葉くんからの連絡、待ってないから。」
「・・・、」
マジメな顔してる翔ちゃんを見た。
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