Reactivated Love #69A | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

最初お話→#1A
前回のお話→#68A

#69A




しばらく、

動けなかった。




思考も止まって


現実味のない時間の中

強い雨に打たれたまま



タクシーが消えた方を

ただ呆然と見ていた。




ビュウと強く風が吹いて

背中を押され

よろけて




あぁ、部屋に戻らなくちゃ・・・



玄関の鍵、

閉めないで来ちゃった・・・




そう思って

ゆらりと歩き始めた。













・・・ずぶ濡れのまま

玄関で目覚めた。




「痛(いた)た・・・、」




フローリングで

どのくらい寝てたんだろう。



手をついて上半身を起こして

玄関のノブを見る。




・・・そうだ・・・


もしかしたら翔ちゃんの気が変わって戻ってくるかも、って、


鍵を開けたまま玄関で待ってて・・・


それでいつの間にか寝ちゃったんだ・・・




「っくしゅん、


・・・はぁ、寒!」




家の中とはいえ

濡れたままでは、



まだ夜を明かすには寒い時期だった。




「風呂、入んなきゃ・・・」




ふらりと立ち上がって

濡れたスウェットのままバスルームに入って



ニノみたいにそのまま

湯船にしゃがみ込んでお湯を出した。







不思議なもので



思考は止まってるのに

カラダは勝手に動いて




いつものように髪を洗って



いつものようにカラダを洗って



いつものように翔ちゃんに愛されたアトを・・・



本当は残しておきたかったけど・・・



体調崩して仕事に穴を開けるわけにはいかなくて、

キレイにして。




もう一回温まってから


風呂を出た。