Reactivated Love #43S | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

最初お話→#1A
前回のお話→#42S




『言わないと分からない』




その言葉を胸に松潤と別れ、

マンションへと帰る。



タクシーを降りて見上げた部屋の窓の灯に

深呼吸をして

預かった雅紀の上着を片手に歩き始めた。




「ただいま、」




部屋に帰ると

期待に反して静かな部屋。



風呂かな?



耳を澄ませるように

様子を伺いながら奥へと進むと

雅紀がソファーの端で

小さく丸くなって静かに寝息を立てていた。




「雅紀?

雅紀、風邪ひくよ?」




ソファー傍にしゃがみ込んで

顔にかかった髪を指で掬う。




「ん・・・、」


「雅紀、ごめんな?」




おでこにキスを落とす。




「ん・・・、どしたの?」




眩しそうに瞳(め)を薄く開けた雅紀が

その手を伸ばして頬を包んだ。



雅紀の手に 上から右手を重ねて

顔をずらし掌に唇を押し付ける。




『相葉くん、翔さんが思ってる以上に翔さんのこと想ってるからさ。

翔さんも察してやって?』




松潤が言っていたことを思い出して




「色々・・・、我慢させたかなって。」




右手で雅紀の手を握りしめたまま、

左手で髪を撫でる。




「ううん?何にも、我慢なんてしてないよ?

大丈夫だよ、しょぉちゃん、


急にどうしたの?」




いつもの、雅紀の感じに

逆に胸がギュッとなる。




我慢させていた期間が長かったんだと



俺は


ずっと気付いてやれずに



いつの間にか雅紀が我慢を 我慢と思わなくなるほどに



否・・・、



我慢を 我慢と言えない状態を

常とさせてしまっていたのだと



そう痛感し


悔やみ


自分を責めた




「ごめん・・・。


ごめんな、」




それしか言えない自分が



悔しかった。