「俺は
ニノみたいに
相葉くんのことを雰囲気だけで
心の状態に気付いてやれるわけじゃないし
風間みたいに
相葉くんが限りなく
素でいられるような存在になれるかも分からない」
・・・翔ちゃんが
そんな風に思っていたなんて。
「でも
俺は
俺にしかなれないポジションを相葉くんの中に築きたい。
揺るがない存在に、なりたいって思ってる。」
翔ちゃんは
もうとっくに・・・
僕の中で・・・
トクベツ、な・・・
ジワリと、目の奥が熱くなる。
ゆっくりと、
距離を詰めた翔ちゃんが
今にも触れてきそうで
カラダの芯がキュってなる。
息が、浅くなる。
俯いた顔が、熱くなる。
翔ちゃんの左手がゆっくりと背に回されて
引き寄せられて、
顔の、すぐ横に翔ちゃんの顔がきて。
翔ちゃんの右手が、腰に触れる。
包み込むように
抱きしめられる。
嬉しい、
嬉しいけど、
きっとその先は
言われてはいけないコトバ・・・
「相葉くんのことが、
好きだよ・・・」
あぁ・・・
神様・・・
こんなに嬉しいのに
踏み出せない現実。
こんなに残酷なことを
僕に与えるのですか
僕は
この試練を
越えなくてはなりませんか
このまま
愛しい人の想いを胸に受けとめたまま
消えてしまえたらいいのに
でも
どんなに願っても
現実(リアル)は
それを赦してはくれないから。
10秒、だけ・・・
大好きな翔ちゃんの肩に
おでこをつける。
『僕も、
だいすき・・・』
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