「・・・なんかゴメン、せっかく相葉くんMさんの事、
波風 立てないようにしてたのに・・・」
翔ちゃんが振り向いて心配してくれてる。
・・・でも。
僕は翔ちゃんの顔をまともに見ることができなくて。
ありがとう、って言いたいのに
俯いて
首を振るだけで精一杯で。
「ハァ、」
でも翔ちゃんのため息が聞こえて、
翔ちゃんのために
俯いてちゃいけないって思った。
「ううん・・・
ううん、しょぉちゃん。
・・・しょぉちゃんは悪くないよ・・・」
・・・そう、悪いのは。
自分のカラダを抱きしめる。
「・・・悪いのは、僕・・・」
「バッカ、悪いのはM(アイツ)だろ、」
被せるようにそう言って
翔ちゃんが、抱き締めてくれた。
その、温もりが胸に染みて
鼻の奥がツンてして。
「・・・う、
・・・ごめ、ゴメンね・・・
しょぉちゃん、ゴメン。
・・・ごめんなさい・・・」
巻き込んじゃって、
・・・ごめんね翔ちゃん・・・
少しだけ
今だけ
肩を貸してくれる・・・?
おでこを翔ちゃんの左肩にくっつけたら
フワリと翔ちゃんのいい匂いがして
ひどく安心するのと同時に
叶わない恋を意識して胸が軋んだ。
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