Rolling days #66 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

最初から→#1
前回のお話→#65
ウラガワ→Side-S


Day #66
~Side A~




(イヤだ!)



反射的に腕を引いて一瞬身構えた。




「オイ!今相葉くん嫌がっただろ!
離せよ、」




ほんの一瞬、

だったのに。



見逃さず翔ちゃんが間に入ってくれて



来てくれただけで十分嬉しかったのに



翔ちゃんが次から次へとドラマか映画のヒーローみたいに




「雅紀は昔からオレに懐いてんだから!嫌がる訳ねーだろうがよ!」




そう言い切るMさんに

僕が無意識に考えの外に追いやった感情を言い当てる。




「雅紀(コイツ)はこんな事されてもまだアンタを信じようとしてンだよ!

今まで世話になったアンタを疑うなんて雅紀(コイツ)にはできねェんだって!」




僕だって

本当はそうじゃないかもしれないって



僕は騙されてるのかもしれないって



心の隅っこで気付いてた。




でも



やっぱり今までのことを考えると

悪く思うのは失礼じゃないかって




「雅紀(コイツ)の優しさに付け込むような真似しやがって

雅紀(マサキ)がいいって言ったって俺が許さねェからな!」



「しょぉちゃん!」




嬉しかった。



僕のキモチ、分かってくれたことが嬉しかった。



僕が言えない分、

代わりに言ってくれたことが嬉しかった。



『俺が許さない』



そう言ってくれて本当に嬉しかった。




「ッハ!なんだよちょっと揶揄(からか)っただけじゃねーかよ!」




ドクン、



Mさんの、黒い部分。

信じてた、優しい笑顔が過(よぎ)るのに



今僕の前にいるMさんは別人のようで。



僕にはどうしようもない悲しいキモチが溢れてしまう。