La fête d'Halloween #85S Final | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

最初から→#1A
前回のお話→#84S


〈Side-S〉




息を整え、

折り重なったカラダを解くと

雅紀は軽く意識を手放したように眠っていた。



肩が冷えないようにベッド脇からバスタオルを引っ張り込む。




「痛ッツ、

・・・ハァー、なんかジンジンする・・・」




覚悟したほどの痛さではないけれど

正直・・・違和感の残る、

というか。



雅紀が『いた』感覚が纏わりつく腰の奥が

鈍くまだ疼いている。




「水・・・、」




ゆっくりとベッドから降り、

フワフワした足取りで壁伝いにキッチンへ。



水のボトルを一気に半分まで飲み干すと、

もう一本を手にベッドへ戻った。




「雅紀・・・?」




そっと声をかける。




「雅紀?」




肩に手をかけてその名を呼ぶと、

閉じた瞼に力が入り薄く開いた。




「・・・ぁ、しょぉちゃん・・・?」




水を手渡すと

飲むこともしないで

俺の心配ばかりする・・・




「しょぉちゃん!」




嬉しそうな顔をして・・・

その真っ直ぐな視線がくすぐったくて

つい視線を逸らすと




「しょぉちゃん」




甘えるように

ボトルをその手に持ったまま

首に巻きつくようにくっついてきた




「なんだよ!あぶねェな、」




嬉しいくせに

つい乱暴な言い方になる。



それでも




「しょぉちゃんだいすき!」




言い続ける雅紀が心底愛おしくて




「フハハハ!知ってる。」




そんな雅紀が可愛くて仕方ない。

アイシテル、なんて滅多に言わなかった俺が




「俺もだよ、愛してる。」




雅紀になら素直に言えるなんてな。



いや、言わずにいられない、伝えたくて仕方がないんだ。


伝えた時の雅紀の嬉しそうな笑顔を見たいんだ・・・



俺は、


雅紀が。



雅紀さえいれば。



他の総てがどうだって、きっと生きていける・・・



なんてな、考えがセツナ過ぎか・・・?



雅紀のカラダを抱き締めて

雅紀の香りに包まれて



ふと、目を開けた先、

時計が目に入った。



・・・

・・・

・・・


あーーーーーーっ!




「・・・雅紀・・・、」





「急げっ!」




ヤッベ!

ヤッベ!



俺としたことが約束をすっかり忘れて雅紀に夢中になってただなんて




あと30分!



シャワー!



支度!!



・・・ッ痛ゥ、


・・・やっぱり負担は大きかったか!




「運転は頼んだ!」




今年のハロウィンはパーティーより先に二人の時間を楽しんじまったけど



友人との時間とはまた違う


雅紀との空気だけに感じる、

言葉では言い表せないこの感じは

他の誰にも代え難い・・・



雅紀にとって俺もそんな存在にいつかなれたらと思う。




「しょぉちゃん、行けるっ?」


「Yeah,yeah!Now let's head to the party!」




俺たちのパーティーは、


まだまだ始まったばかりだ



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End.