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最初から #1
前回のお話 #47
#48 Side-S
エレベーターの扉を開けて促すと、
目の前を愛おしい頭がひょこひょこと通り過ぎて
操作盤の対角の隅に雅紀が立った。
ルームキーを操作盤にセットして、フロアキーを押す。
雅紀の隣で壁に凭れながら、ヨコシマな考えが浮かぶ・・・
この角、セキュリティーの死角なんだよな・・・
でも・・・
今手ェ出したら抑えが効くか自信ねェし・・・
操作盤の上部にある電光掲示板がぐんぐん上がる階数を示す。
グイッ、
雅紀に左腕を掴まれて振り向くと、
チュ・・・
軽く唇を重ねられた。
いやいやいやいや
嬉しいけどさ
マジ今はヤバイから・・・
甘い吐息とともに薄く開かれた唇が再び俺の唇に触れて、
内側から柔らかな温もりが誘いに来たのを・・・、
薄れそうになった理性を奮い立たせて平静を保つ。
ソノ気になっていそうな雅紀はすげェ魅力的なんだけど・・・
ポンポンと頭に手を置き
わざと甘くなりかけた空気を払拭するようにサラサラの髪に指を絡める。
「もう・・・、着くから、」
開いたドアに
どこかホッとしながら玄関に向かった。