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最初から #1
前回のお話 #31
#32 Side-A
沈んだキモチになっちゃったおれを笑わそうとして
翔ちゃんが駐車場で早々に一台きりになった愛車を見て
「ぼっちかよ!」
って言うから
「くふふ、田舎だからね、」
って、笑った。
どんな顔していいかわかんなくて足元を見ていたら、急に抱き締められて・・・
「・・・しょ・・・?」
急にどうしたのかと思ったら、
「よかった・・・やっと笑った・・・」
あ・・・
おれ・・・
翔ちゃんに心配させちゃってたんだ・・・
笑ってたつもりだったけど・・・
うまく・・・笑えてなかったんだ・・・
「・・・ごめ、」
翔ちゃんの腕の中で、
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「えっ、なんで謝るの?」
「・・・ワガママ言って、ごめんね・・・」
翔ちゃんのお仕事の邪魔はしたくないのに
「えっ?えっ?ちょ、待って、ワガママ?いつ言ったよ?」
ワガママだよ・・・、
おれの勝手なキモチで・・・
翔ちゃんと離れたくないなんてさ・・・
「だっ・・・、ぅ、しょぉちゃ、朝・・・早っ、・・・でも、もっと、一緒に・・・ッふ、」
「雅紀・・・?」
そんな・・・優しい声でさ・・・
ずるい・・・よ、
想いが・・・
止まらないよ・・・
「一緒に、いた・・・、」
「雅紀・・・」
翔ちゃんにギュウ、って抱きついて・・・
充電、充電、
充電・・・
パッと、離れた。