And if...2-12
ジャンケンで寝る場所を決めて、一番勝った翔ちゃんが一人離れてるからってきゅうきゅうに寄せて並べた5人の布団。
翔ちゃんと離れちゃって一瞬寂しかったのに、転じて隣に翔ちゃんが来ることになってドキドキしたっけ。
おれ
実は見逃さなかったんだ、
翔ちゃんは無意識だったかもしれないけど
特別な意味なんてないって知ってたけど
寝る寸前にマクラの位置をおれ側に寄せたとこ・・・
ただの
寝る体勢の好みなんだって分かってるけど
それでもおれは嬉しかったんだ・・・
それに
DVDになってから自分の部屋で晩酌しながら見てて気付いたこともある。
真っ暗な部屋を映す定点カメラが捉えてた映像。
早回しで気付きにくいけど
ハッキリ映ってる
明け方、翔ちゃんからおれの方に手が伸ばされてんの。
あの朝おれは誰かに包まれるような、
ほんわりと胸が温かくなるような、
そんな幸せな夢を見ていたんだっけ・・・
「相葉さーん?」
「あっ、あぁ、ゴメン、ちょっとぼーっとしてた。」
慌てて気を取り直して、ロフトにいるニノのところへ行く。
「ハイ、オッケー!・・・じゃあ、行く?外。」
腰に両手を当ててニノが反るように伸びをしながら言う。
「うん、いこぉ~!」
おれたちは事務所に寄ってバーベキュー用の調理器具セットを受け取ると、移動して火おこしに取り掛かる。
「あんたまた原始的な火種、作ろうとしないでしょうね!」
「くふふふっ!さすがにの!!よく分かったね!
じゃじゃーんっ!リベンジしようと思って持って来ちゃいましたぁ~!」
「マジか!!」
くふふふっ!
実はここに来るって決まってからすぐに買いに行ったんだよ、火おこしセット。
「だからにの、お願い!!ちょっとだけやらせて!みんなが帰ってくるまででもいいから!」
「何、お前ニノとヤりたいの?
ゴメン戻って来ちゃって」
不意に後ろからテノールの声が・・・
「えっ?!しょぉちゃん?!」
振り向いたらBBQドームの入り口に食材の袋を提げた翔ちゃんがいた。
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