P•A•R•A•D•O•X #3 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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これまでのお話
Chained Moons #1  #2

Moon#3





「・・・どぉしたの、それ?」




いつの間にか目を覚ました雅紀が

こちらを見上げている。




「ん・・・ さっきの友達からお土産でもらったんだけどさ。」



「しょぉちゃんのコト、『しょう』って呼んでたヒトでしょ~?」 



 

と言って口を尖らせる。


くっそ、かわいいぜ。




「雅紀も呼び捨てにしていいのに。」

 

 


と言うと




「べっつにぃ~。いいもぉん・・・」




と言って転がってきて俺の太腿に頭を乗せる。



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「・・・香水・・・とか?」




俺は手の中にある小瓶を見ながら


本当の事を言うべきかどうか、まだ決心がつかない。




「いや香水じゃなくて・・・その・・・何ていうか・・・


クスリっていうか・・・」



「くすりっ!?」




歯切れの悪い答え方をした俺に何かを察知したのか、雅紀が飛び起きた。

 

 


「・・・しょぉちゃん、もしかしてもしかしてそれってさぁ・・・


なんかヤラしい系のやつ?」



「ん・・・まぁ・・・そんな・・・とこ・・・かも・・・?」



えぇ~っと声を上げながら


雅紀が「どっち?どっち?」と自分の顔と俺の顔を交互に指差している。


その指を捉えて雅紀の顔の方へと向けてやると一層声のボリュームが上がった。




「 えぇ~っ、マジでぇぇ? おれなのぉ~っ?

・・・それを、どうすんのっ? 

・・・ってか、どーなんのっ??」



「それがよく分かんなくてさ・・・

『これ、彼女に飲んでもらうと楽しいよ♪』って、それだけ言われたんだけど。」

 

 

「へぇ~、飲めばいんだ?

・・・でもさっ、しょぉちゃん、おれって、『カノジョ』なのかな?」




雅紀の真剣な表情に、笑いをこらえる。


そういえば友人にも、雅紀との事は話していなかった。




「・・・この場合は少なくとも、俺の方ではないだろ?」




その言葉に「そっかぁ」とあっさり納得して

雅紀は俺の手から小瓶を取り上げ、しげしげと眺め始めた。





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