Trick or ... #10 Side-M | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

これまでのお話



ドキドキしてるのが自分の音じゃないって、思わず翔ちゃんを見上げる。



「・・・しょぉ・・・ちゃ・・・?」





翔ちゃんの目が薄く開いて・・・




「・・・雅・・・紀」




その低めの声でおれの名前を呼ぶ。


ヤバイよ翔ちゃん、なんだよズルいよ


そんなやさしい声で おれの名前を呼ばないで

そんな誘うような目で おれのことを見つめないで



おれ 勘違いしちゃうよ




目を逸らすことができないでいるおれに


翔ちゃんの唇が


{3C323D0A-AA24-4927-8CA0-1D6118C24232:01}


頭に



そして温かい手に前髪を上げられて


おでこに


キス・・・







「ぇっ・・・!」




驚いて力が入る。


なに? なんで? 


翔ちゃんにはドレスを着せてあげたい人が



カノジョ ガ



いるんじゃないの?


おれが・・・ホイホイくっついてくるから


反応見て 楽しんでるの?


オトコだし、傷つかないとでも思ってる?


だからそんなふうにするの?






ちがう・・・


おれが悪いんだ・・・


ちゃんと、やめてって言えないから・・・


ショウチャン ハ ワルク ナイ


中途半端に受け入れて 隙を見せてるおれが悪いんだ・・・


でも 拒めない


コバメル ハズ ガ ナイ


拒んだら・・・二度と・・・触れることができなくなるかもしれない



大好きな翔ちゃんが たとえ気まぐれでも おれに触れてくれるなら



一度だけ・・・ 一度だけでも 



その想い出を胸に持ってたら



おれはこの先 生きていけるのかな





温かい水が、右の目から顎に伝っていた。





【11】