Trick or ... #4 Side-M | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

これまでのお話





なんか、流れで翔ちゃんを送ることになった。

助手席に乗り込んだ翔ちゃんに今日からまた使い始めたあのタンブラーをソッコー見つけられちゃって心臓がドクン、と跳ね上がる。

翔ちゃんにもらったやつだから使ってるとか思われないかな(そうなんだけど)

最近翔ちゃんのことめっちゃ意識しちゃってるってバレないようにしなくちゃ!(飲み物の方に話題を移せばいい?!)



「あぁっ、それっ!今年も使わせてもらってるよ! ホラ、ここんとこ朝、冷える日もあるし、コーヒー飲みながら来たいからさっ!」



翔ちゃんはクスって笑って、
『使ってくれてありがとう。嬉しいよ。』
って言ってくれた。

使ってくれてありがとう。嬉しいよ。
使ってくれてありがとう。嬉しいよ。
使ってくれてありがとう。嬉しいよ。

フフッ

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胸の内側がジワジワ暖かいキモチに染められて翔ちゃんの言葉をリフレインさせてたら急に視界に翔ちゃんが入ってきた。



「何ニヤニヤしてんの?」


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「いやっ?!べ、別にニヤニヤなんてしてないよ!やだなぁ、しょぉちゃんっ!さ、帰ろ、帰ろ!」



あ~、心臓に悪い。
ずっとジュニアの頃から一緒にいて、ずっとずっとそばにいたからそこまで意識なんてしたことなかったけど・・・翔ちゃんって、こんな至近距離で見てもやっぱカッコよくって、さすがトップアイドルって感じ。
そんな整ったカオでそんなまっすぐな目でそんな風に覗き込まれたらオトコのおれだってドキドキしちゃうよ。


胸の鼓動に比例させるように、ギアをトップまで上げて夜の都内、隣に翔ちゃんを乗せて車を走らせる。


翔ちゃんはさ・・・ヒップホップ系のダンスも似合ってカッコいいし、ラップも上手で、頭もいいし・・・

何もかもがカッコよくって、ちょっとヘタレなのだって隠さなくてカッコいい。


どこを取ってもパーフェクトで、世の中のオンナノコが夢中になるのだってそりゃあなるよね、って感じで。


国道の交差点、フロントガラスの向こうを歩くスタイルのいい女の人を眺めながら、オンナノヒトはそれだけでまず翔ちゃんに一歩近いよね、って思ったら胸の奥がチクリと痛んだ。



「・・・いいよなぁ・・・」

「え?」

「あっ!ううんっ?!なんでもないよっ?!」



アブね!つい思ってた事が言葉に出ちゃったよ。

いいよなぁ、か。

うん、いいよなぁ、だよね。

オトコの翔ちゃんがオトコのおれに、なんて、やっぱ一度きりの事故だったとしか思えない。


アンナノ タダノ コウキシン


ノリでさ・・・勢いであんなコトはあっても、それっきりだし、やっぱソコ止まり、だよね・・・って、なんだよ、しっかりしろよ、おれ!



アンナノ タダノ コウキシン ナノニ



おれはどうしちゃったんだろう。

おれは、翔ちゃんとどうにかなりたいの?

キレイな女の人見て翔ちゃんのコトを想う・・・なんてさ。

ヘン・・・だよね・・・?



【5】