これまでのお話
Lurked Gloom【1】 【2】 【3】 【4】 【5】
『おはよう 翔ちゃん。ずっと会いに行けてなくてごめんね。今日、
雅紀からのメールを読みながら、つい素っ気ない態度を取ってしまった大人げない自分を後悔しながら、何て返事を打とうかと親指がリプライボタンの上で動きを止める。
「おはよーっす。あ、翔さん、おはよう。」
突然、疑惑の張本人に話しかけられて思わず携帯をジャケットの内ポケットに滑り込ませる。
「あぁ、松潤、お早う。」
嘘がつけない俺は、また新聞を読むフリをしながら、話し込む隙を与えないという護身を取ってしまった。
情けねェ・・・
松潤はそのまま雅紀の方へ行くと隣にしゃがみこんで何か話しかけてる。
何て・・・話してンのか・・・
聞こえねぇな・・・
・・・
「しょーくんおはよう。どうしたの、すごい真剣だね、眉間!シワ寄ってるよ。ンフフ。」
再び急に上から声がしてハッと顔を上げると、ふにゃっと笑う智くんがいた。
「あぁ、智くん、お早う。いや・・・別に・・・ちょっと気になる記事があってさ・・・」
って。開いてたのは「記事」はない経済動向欄だったけど。(汗)
大丈夫、智くんは気付かずそのままニノの方に行った。
「・・・大丈夫だって、消化いいモン用意しとくから」
「うん・・・でも今夜は・・・」
えっ?ナニ?松潤、また雅紀を誘ってんのかよ?!
さりげなく・・・、松潤を牽制するように雅紀に声を掛ける。
「雅紀ぃ~、今夜 家飲みでいい?」
「あっ、しょぉちゃん。うんっ、買い物して帰ろう?・・・ってコトで、ゴメン、マツジュン。またねっ!ゴメンねっ!誘ってくれてありがと!」
「ふぅ・・・ん。そ?ま、いいけど。翔さん、あんま脂っこいもの食わせないでよ?ソノヒトの努力が台な・・・」
「ちょ、マツジュン!」
「えっ、何?」
「いやいや、しょぉちゃん、何でもないって。ねっ?マツジュン?夜はあんまカロリー高いものは食べないようにってね!分かってるよねぇ?しょぉちゃんっ?」
「あぁ・・・」
なんだよ、雅紀その慌て方。
それでごまかせたと思ってんのかよ。
イマイチ腑に落ちないけど・・・ここは大人の対応。
気にしない素振りでやり過ごす。
... to be continued