思えば 子供の頃から 映画に 侵食されがちな毎日だった。
『ターミネーター2』を 初めて観た日の 次の日に
シュワちゃんのマネして 傘で スピンコックをする。
『ボディーガード』を 初めて観た日の 次の日に
ケビン・コスナーのマネして 桃を 包丁で食べて 唇を切りまくる。
そして今回レビューする映画『ハンテッド』で
石で ナイフ作りを決行するまで マネした当時の僕。
今作は 無人島に持っていきたいDVD第一位に輝いているんだ。
↑ 運動会よりも ナイフ作りで 黙々と クラスの友情を育むべきだよ。
という訳で 近くの海岸にある 石から作ろうとしたが
あまりに石が堅くて 開始10分で ギブアップしたよね。
思えば 子供の頃から
最後まで 成し遂げられたこと 一つもないな!(他人事)
だが 今作を観るたびに思い出す 映画の中の ヒーローに
少しでも 近づきたかった あの頃の 衝動。
己のナイフを失くしたなら 造ればいいじゃない。
昔 置いてきたものが 確かにそこにある『ハンテッド』レビューです!
『ハンテッド』 (2003年)
思わず マネしたくなる動きがある映画は名作。
そして今作も その法則の元に作られた名作だ!
主演は トミー・リー・ジョーンズと ベニチオ・デル・トロ!
戦争で おかしくなってしまった弟子を止める師匠!
思いあがった人間に喝を入れる人間狩り映画が ここに在る!!
軽くあらすじ!
↑ ウクライナやガザでも こういうことが起こってるのか…。
舞台は コソボ! セルビア軍が アルバニアの村人たちを
皆殺しにしていた。 懸命に生きてる人から先に死ぬから
ホント 戦争ってクソやなって。(ふるえ声)
火星人でも 攻めて来なきゃ
永久に戦争し続けるんじゃない? この星の 一部のバカ達は。
で、それを 曇りなき眼で見つめる アメリカ軍人
ベニチオ・デル・トロも そこにいた。
なぜ こんなセクシー野郎が ここにいるかというと
虐殺を指示している ボケ指揮官を殺すための部隊だからだ。
↑ ありがとナス!
指揮官は 「やられたらやり返す」などと
一家言おありの ご様子だったが デルに殺される。
特に兵力・武力のない 村人で 憂さ晴らししてるあたり
お里が知れる 指揮官なのだった。
そして その功績が称えられ かつて セガールも
受賞した シルバースターに輝くデル。
最高の兵士だけに与えられる 最高の勲章。
名実ともに アメリカの星になった男の 3年後。
↑ 人生で 一度は言ってみたいセリフである。
その彼は 人間狩りに精をだすぐらいに 拗らせていた。
逃げ回るだけの 鹿くんに対して
極太スコープを乗せたライフルで狙う人間。
「もう猟師じゃなくて てめー 殺し屋だろ。」という理由で
おそらく休日を楽しんでいた2人を 惨殺したのだった。
なんつーか 他にやることあるだろって状態のデルでした。
↑ 本気でイヤそう。
一方そのころ、かつてサバイバル・ナイフ術の元教官 トミーが
人間狩り逮捕に協力するか否かの 話をしていた。
今回の 犯人、あまりに痕跡が残ってないので
追跡のプロフェッショナルである トミーに打診がかかったのだ。
まぁ受けてくれないと 映画が進まないってことで
犯人捜しを しぶしぶ了承するトミー。
↑ やだ… わんわんトミー飼いたい…。
ハリウッド名物 立ってるだけのFBIを 尻目に
四つん這いになって 犬のように犯人を追跡するトミー・ザ・ドッグ。
このトミー、年は取っても 衰えは知らぬ!
「犯人は まだこの森にいる。 むしろ住んでる。」と睨んだトミーは
森の賢者となったデルを 着実に追いつめ ついに出会う。
↑ ここ切ないね…。
なんと デルは トミーの かつての弟子だったのだ!
ついに出会う 2人の師弟!
心が壊れた弟子に トミー師父は 何を想う!?
デルを救うには もはや死しかないのか…。
ラストの 壮絶なナイフバトルに 眼を食いしばれ!
感想です!
これは 戦争に壊された男の人生の物語。
冒頭の コソボ紛争に 心を囚われ
いつまでも どこにいても 戦場に 残された兵士。
演じるは チャールズ・ブロンソンや マッツ・ミケルセンと同じく
フェロモン駄々洩れ俳優の ベニチオ・デル・トロ。
男も女も 魅了するワイルドかつ繊細な演技が
見事に今作と マッチしているのだ。
↑ 連中って誰だよ!?
見た目や 普段の会話からは とてもイカレてるように見せないが
ところどころで おかしくなる言動や行動に
デルが演じるからこその 狂気が光る。
特に 匿ってくれてる女性に対して
「連中が 家を焼きに来る。 悪いこと言わないから
町から 脱出なさい。」と 根拠もクソもないことを言い出すデルには
「トランプさんは ディープスロートだかなんだかとの
闘いに明け暮れている」と のたまう 陰謀論者みたいな不気味さがあった。
↑ この目力ですよ。
で、なんで 人間狩り はじめましたの結論に至ったかと言うと、
人間は 食物連鎖の頂点に立って 敵がいないから
思いあがってる連中は 俺のナイフで裁く(捌く)!ということにしたらしい。
ホント 戦争ってクソやなって。(ふるえ声)
なんでそうなるのか 分からないし、
森に暮らしながら コソコソ人間を 狩ることが
とても 平和に つながる気がしないのは 僕だけだろうか。
だが、そこは 演技で 人を捻じ伏せる ベニチオ・デル・トロ。
(デルちゃんの したいようにしたらいい。)と
観てるうちに 理解ある親戚のおっさんみたいな気分になっていた。
↑ それは ちょっと困りますね。(素)
やっぱり 地球に 必要なのは火星人じゃないか。
『マーズ・アタック!』は 反戦映画だった…?
というわけで デルは その特別な存在になろうと
森の中にて もののけデルな生活を送っているのだった。
↑ 出会って2分で 視聴者の言いたいこと言ってくれるトミー。
そんなデルを止めるのが 師匠であり 親同然のトミーだ。
ナイフ術、サバイバル術の全てを デルに叩きこんだトミーだが
よりによって それを 民間人に使いだしたので 責任を感じ、
最後の最期まで デル逮捕に 付き合うことを決意する。
↑ あわ、あわわ!
↑ 頑張れ…! 頑張れ…トミー!
だが 相手が プリプリの デル・トロに対して
初老のトミーは スタミナが そもそも違い過ぎた。
しかし、それでも ハァハァ言いながら 喰らいつく。
『追跡者』よりも 追跡者してるな! トミー!
若者に 負けてらんねぇ。と頑張る高齢者は
かっこよく見えるか 滑稽に見えるかの どっちかなんだが、
今作のトミーは 間違いなくかっこいいよ。
そして 今年の正月、 僕の父親は 紅白を見ながら
「これが ビリーバンバンボンね…。」と ボソッと言ったのだが、
「Creepy Nuts」登場時に言ってたので
おそらく「Bling-Bang-Bang-Born」のことだと思われる。
姪っ子ちゃん達が 好きなので 喰らいつこうとしたんだね…。
ビリーバンバンに 引っ張られてたけど。 これについては 滑稽だった。
だけど 僕は そんな父さんが大好きです。
↑ 人間って無能ほど 偉そうなんだよね。
四つん這いになってまで なんとかデルを捕まえたトミー。
すると 待ってました!とばかりに 生えてくる
使えねぇアメリカ暗部の 軍人。
イベントが進まないと現れない村人みたいだぁ。
もうデルに逃げられる未来しか視えないが 軍人たちは
「護送中にデルが なぜか死にました」ってシナリオを開始する。
↑ 100年後の 崎陽軒の弁当についてそう。
↑ 思わず 鼻で笑ってしまうデル。
取り出しましたるは、 弁当についてる醤油さしを、
近未来型にした感じっぽい 自殺薬。
なんと痛みもなく 死ねるという 欲しい人には
喉から手が出るほど 魅力的なアイテムだ。
これを…どう使うんだ?と 思ってるうちに
デルは ちょうど近くにいた軍人を 人質に取る。
↑ アッーーー!!(絶命)
↑ へー、 そう使うんだ。
そして やっぱり デルに 逃げられた軍人たち。
汚れ仕事向いてないから 転職を おすすめします。
死んだけど。
まだまだ続く トミーvsデルの 行く先とは!?
総評です!!
デルが壊れる前に トミーに会えていたなら…
そんなもしを 想像せずにいられねぇ切ねぇ映画だ!
↑ オッスお願いしまーす。
↑ 小学校の頃、マネして 覚えようとしましたね…(遠い目)
トミーズブートキャンプを受講する 在りし日のデル。
このナイフ術のスピード感が マネしたくなるくらい 妙にリアルでね。
小学校の頃、 公園に生えてる木に向かって
「腕、喉、心臓、脚、脚、腕、肺」なんてブツブツ言いながら
ベシベシと棒で叩いて 両親を 本気で心配させた覚えがある。
またデルが ヒュッ!ヒュッ!と口で 風切り音だしながら
練習台に 凄い速さで 寸止めしていくのが 超クール!
勝手に、『メタルギアソリッド3』の
CQCは これが元じゃねぇかな。なんて思ってます。
今作のおかげで スネーク役は デル・トロか ヒュー・ジャックマンの
どっちかに絞られた。 つか実写化まだかよ!(8年待ち)
↑ 花崗岩ですかね? 地元になかった こんな石。
↑ 最近 モンハンで ディノバルドに殺されまくってます。
遂に ここまでやってきた。
僕が 今作に完堕ちしたシーン、ナイフ作り!
トミーは 石に、 デルは 鉄に、 己の魂をナイフに込める!
ぶつかり合う 男と男の決闘ですよ。 シビれるしかない。
銃を使うなんて 無粋なマネはしねぇのさ。
二人の絆を結びつけたナイフで 因縁を断ち切る!
それが 流儀ィィッ!!
↑ ナイフの 持ち手スイッチングは 初めて今作で観ましたねぇ!
まさに死闘。 だがそのなかに 地味だが凄いテクニックも
散りばめられていて 何回でも巻き戻して観返したくなる出来だ。
確かに 見た目の派手さでは 今作の上をいくナイフバトルは数多あるが
子供の頃、熱くさせてもらった 原点は やはり今作なのだった。
セガールに このトミーのナイフ捌きを見せてやりたいですね。
あのセガールの カマキリみたいな動きと どっちが強いのか。
あと、やっぱり銃なんか捨てて かかってくるところは
全ての決闘は ベネットに通ずなところがある。 ベネット 最後に銃とったけど。
↑ トミー…! (´;ω;`)ウッ…
そして ついに訪れてしまう 決着。
心臓に 自分のナイフが突き刺さるというデルの あまりに壮絶な死に様。
このシーン、無音なんだが トミーの哀叫
確かに 僕の心に バシッと届いたぜ!
死をもって罪を償い、 戦場から やっと解放された愛弟子デルの
頭を 撫でてやるトミーに 涙が出るトロ。
全てが片付き、雪原を眺めるトミーは 何を想うのか。
デルは死に、トミーは これからも生き続ける。
デルは外、トミは内の ハンテッド節分を しんみり感じる名作だなぁ。
一人一ナイフ時代が 何かの間違いで くるかもしれないので
ナイフを作りたくて 禁断症状が出たなら、まず今作を観よう!
本日はここまで! お時間いただきありがとうございました!
明日から このスタイルで出勤して
誰にも気づかれず 帰りたい。
『今日のMILF』
デルの 飼い主。
半年前に フラっと来た デルの世話をしていた。
荷物を置いて 消えたデルだが まさか人間狩りしてるなんて思わなかった。
↑ 娘ちゃん (いきなり 何を言い出すんだ…)
彼女の娘ちゃんとも 仲が すこぶるいい。
デルも 時々 訳わからんこと言い出すが
面白れー男と 娘ちゃんからしたら ポイントが高いのだった。
いや、こんなスカしたホールドアップされたら 惚れるわ!(即オチ)