日本の総合商社の2023年決算は最高益を更新しました。

 

 
私は商業高校出身なので、周りに就職を選ぶ人が多かったのですが、
日銀・損保・総合商社に入社するひとが一番優秀でした。
 
銀行は残業が多いので、私が就職した1982年頃には人気はあまりありませんでした。
その後OA(オフィスオートメーション)が銀行で急速に進み、
その後、就職が困難になりました。
 
日本が中国にGDPで抜かれたのが2012年と言われていますが、
その頃に総合商社で日本の時価総額で20位以内に入っていたのは、
三菱商事1社だけでした。
 
日本の高度成長を支えたのは、総合商社が「インスタントラーメンから原子力まで」
の資材調達を各産業に滞りなく行ったからとも言われています。
 
その後、日米繊維交渉やロッキード事件、日米自動車交渉、日米半導体交渉
で、日本はアメリカに叩かれ続けてきました。
 
アメリカは、何故か2番目に強い国を徹底的に叩きます。
でも、アメリカと面と向かって戦った国は、日本以外にありません。
 
2012年でハイテク産業に時価総額で20位以内に入っている
企業は全くありません。(装置メーカではファナックが入っていますが・・・。)
 
しかし、2023年にGDPで中国に大差をつけられた日本ですが、
ハイテク関連ではソニーと日立がランクインしています。
 
半導体部品のメーカーも、キーエンスや信越化学、東京エレクトロン
などが上がってきています。
 
逆に、トヨタ、ホンダ、日産が入っていましたが、2023年ではトヨタのみが
ランクインしています。
 
面白いことに、ゲームなどのエンターテーメント部門で、ニンテンドーや
ソニーが上位にきていることは分かりますが、
米ディズニーのフランチャイズであるOCL(オリエンタルランド・東京ディズニーリゾート)
が、13位に入っています。
 
 
2012年当時のOCLの時価総額は、1兆円に届いていないと思いますので、
ここ10年で10倍になっています。
 
1980年代は、同じ優秀な学生が会社を選ぶ場合に、
総合商社は実業で、銀行は虚業と言われていました。
 
その頃はこのようなアメリカの外圧で、「商社冬の時代」と
言われ、安定を求める損害保険会社か銀行を選ぶ人が多くなりました。
 
しかし、その後に日本の銀行・証券は為替の円高誘導による
プラザ合意やBIS基準などで徹底的に苦しめられます。
 

 

 

ここのところのパーティ券問題で苦しんでいる安倍派ですが、

小泉・安倍政権は異常なまでの米国重視政策で、ことごとく

中国利権をアメリカに差し出してきました。

 

2012年の日・米・中のGDPは

 

日本 501兆円 米国 1,300兆円 中国 683兆円 (1ドル80円換算) 

ですが、

 

2023年の同GDPは

 

日本 592兆円 米国 3,772兆円 中国 2,478兆円(1ドル140円換算)

 

で、倍率は

 

日本 1.18倍 米国 2.90倍 中国 3.63倍

 

で、年利(単利 12年平均)

 

日本 1.5% 米国 15.8% 中国 21.9%となります。

 

日本の高度経済を支えてきたのは、銀行の資金調達と総合商社の資源調達

と日本の技術力です。

 

そこで日本の為替政策は今後の日本を占います。

 

150円の円高では、ガソリン価格の高騰などで国民のコンセンサスは

得られませんでした。

 

ただ、100円を割り込むとデフレに突入するだけでなく、

国際競争力も厳しくなるので、回避しなければならないでしょう。

 

米国と中国はここ20年で拡張的経済政策を採り続けていたので、

景気の調整は長くなると思います。

 

そうすると、135円前後で為替介入を行うことができれば、

今後の日本経済は順調に推移すると考えられます。

 

 

 

 

順位

2012年

時価総額

2023年

時価総額

(単位:兆円)

1

トヨタ

16.8

トヨタ

42.2

 

2

三菱UFJ

7.9

ソニー

16.9

 

3

ホンダ

6.4

NTT

15.6

 

4

ドコモ

6.2

キーエンス

15.1

 

5

JT

6.0

三菱USJ

15.0

 

6

NTT

5.4

信越化学

12.0

 

7

三井住友F

5.3

東京エレク

11.9

 

8

ソフトB

5.1

ユニクロ

11.1

 

9

みずほF

4.8

KDDI

10.3

 

10

キャノン

4.5

リクルート

10.1

 

11

日産

4.1

三菱商事

9.7

 

12

武田

4.0

任天堂

9.6

 

13

三菱地所

3.6

OLC

9.5

 

14

デンソー

3.5

日立

9.4

 

15

KDDI

3.5

ソフトBG

9.3

 

16

ファナック

3.5

三井住友F

9.2

 

17

ユニクロ

3.3

伊藤忠

9.1

 

18

JR東

3.3

中外薬

9.0

 

19

三菱商事

2.9

ソフトB

8.4

 

20

セブンアイ

2.8

三井物産

8.1

 

 

為替

79.7円

 

142.0円

 

ユニクロはファーストリテイリング

   

OCLはオリエンタルランド(東京ディズニーリゾート)

1,000億円未満四捨五入