今年、最後のブログになると思います。

大みそかまでもう一日ありますが、私のなかで一番のニュースが

ダイハツ自動車工業の不正問題です。

 

 

私は、凸版印刷の子会社の図書印刷の子会社の学校図書という

教科書会社に20年ほど勤めていました。

 

図書印刷の社長は、基本的には凸版印刷の常務クラスの天下り先になっています。

そうすると、図書印刷のプロパー社員のモチベーションは、上がりません。

 

業界トップの会社と中堅企業とでは、人的資本も物質的資本も資金調達力も圧倒的に

違うので、反論の余地さえありません。

 

その後、ダイハツと同じように完全子会社化されて、上場廃止になりました。

そうなると、同じ凸版グループには教科書会社最大手の東京書籍がありますので、

学校図書は数研出版に売却されました。

 

ダイハツ工業は軽自動車では1980年代はスズキ自動車についで僅差の2位でした。

 

この時はスズキ、ダイハツ・三菱・スバルの4社体制で4:3:2:1の割合で

シェアを分け合っていました。

 

ただ、この時のカタログ上の基本スペックは同じでしたが、

ホンダや川崎、ヤマハという世界のオートバイレースを席巻させていたスズキと

他の3社のエンジン性能は明らかに上回っていました。

 

ただ、軽自動車は当時女性のユーザーが多かったので、スタイルの良さや

ドアの開け閉めなどの重量感では、ダイハツの方が抜けていました。

 

2000年ごろにマツダやホンダも参入して、軽自動車のシェア争いが激しくなり、

ダイハツの経営はとても苦しかったと思います。

 

その後、トヨタまで軽自動車に算入することになり、ダイハツのノウハウは

当然トヨタに奪われてしまうことになります。

 

日本はよく、中小・零細企業が多いのが特徴であり、日本経済を支えていると言いますが、

それは全く違います。

 

アメリカでもドイツでも中小・零細企業が多いのには変わりがありません。

https://www.jbaudit.go.jp/koryu/study/pdf/itaku_r2_2_siryou.pdf

 

親会社から社長が天下ってくると、今までのやり方を親会社のやり方に変えていこうと

します。

 

中小企業に入ってくる優秀な社員は、企画・開発などから研究・販売まで

一通りできるから大手を選ばない傾向があります。

 

しかし、親会社からの天下り社長は、優秀ならば大手に入るので、

子会社にはバカしかいないと勘違いします。

 

そして、商品開発というブランド育成を忘れて、売上目標を重視します。

そうすると営業は、燃費や馬力などの売りやすい(分かりやすい)

データを重視し、安全性や信頼性などのモラル部分を軽視します。

 

ここで忘れてはいけないのは、1980年代の軽自動車市場では、

燃費や馬力ではスズキに明らかに劣っていたダイハツのミラは

アルトよりも売れていました。

 

ダイハツはブランド力があったのです。

 

ここで面白いのは、同族企業であるスズキもトヨタの関連会社になります。

 

同族会社には、私は2社勤めました。

同族会社は事業継承がとても難しいのです。

 

2代目社長は、年上の幹部連中をどんどん窓際に追いやります。

その時には、他社からの中途社員を抜擢します。

 

中途社員は仲間がいないので、2代目社長に社員のモラル違反などを

逐次報告します。

 

だいたい中小企業で営業トップの社員は叩けばホコリだらけなんです。

まともに報告書なんか書けません。

 

スズキ自動車も後継者ができなかったのもそのようなことが原因かもしれません。

 

私は詳しいことは分かりませんが、ダイハツの軽自動車を妻と父が計3台乗っていましたので、

安全性には基本問題はないと思います。

 

私は今、スズキアルトワゴンRの6年落ち中古車を乗っていますが、

なんとハイブリットで燃費もとてもいいので満足しています。

 

私は、自由資本主義を採っている日本では、会社は原則、株式市場で公開しなければ

いけないと考えています。

 

持ち株会社制度も株主が直接意見が反映されないので、禁止すべきと考えています。

 

なので、トヨタはダイハツを株式市場に再度公開するか、完全に吸収してブランド化

すべきと考えています。

 

少し長くなりましたので、明日は政治のとくに自民党について、

このダイハツ問題と絡めて締めくくりたいと思います。

 

こちらのブログも見てください。