着物に流行りはない、とよく言いますが
そんなことはありません。
色柄だったり、素材だったり、丈だったり、
その時々で流行りはあります。
その時素敵だったものは
振り返ってみると、
”その時代”を見事にかもし出します。
譲り受けた着物がほとんどである私の箪笥の中には、
このテのものがたくさんあります。
という訳で、実感として ”キモノにも流行りはある”のです。
「最近のお嬢さんは着物を着なくなった」
というようなフレーズは、
昭和の着物雑誌でもよく見かけます。
それでは、
身軽に、スポーティーに
格好よく着物も着こなしましょう!
その結果、羽織の丈が短くなりました。
それによって、着物を着る人が増えたかどうかは分かりませんが、
その時期に仕立てられた羽織は、それまでにないほど、短くなったのです。
もちろん、当時はそれが流行の先端。
長い羽織なんて、古臭くて着ていられません。
それから30年、40年経つと・・・・
その時代の着物を譲り受けた(私のような)人が、悩むことになるのです。
「箪笥に羽織はあるけど・・・・」
”大正ロマン”といった感じで、
その時代にどっぷりつかって装うのならいいのですが、
戦前のものなら ”アンティーク着物” と呼ばれても
戦後になると途端に ”リサイクル着物” と名前が変わってしまうように
お母さんやおばあちゃんの着物姿を連想させる
高度成長期の着物は、平成も20年過ぎた今、着こなすのは難しいのです。
もちろん、その時のものが全て難しいわけではありません。
その色の組み合わせは、とか
その丈のものは、とか・・・・
という訳で、この冬に向け、
羽織が欲しいと思っています。
一から仕立てる、ということは
いろいろ無理があるので
譲り受けた着物のうち、
すぐに着る予定のないものを
羽織に仕立て直すことにしました。
どの着物にあうか?
どれを仕立て直したら着回しがきくか?