405「ストレンジャー・シングス」やっぱりみんなキングやスピルバーグ、カーペンターが好きなんだ | ササポンのブログ

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ひとを観ていないものを観ます

まずこのドラマが

面白いのが

もうそれ過去に何回もやってるでしょう

それ

完全に昔の、B級SFじゃん

企画会議で一笑に付されそうな

設定やディテールを

なんの臆面もなくやってのけていること

しかし

よく考えてみれば

これはキングの得意技だ

傑作中編「ランゴリアーズ」も

あらすじだけ読めば

昔の「トワイライトゾーン」に

よくありがちな話だ

ところが

それをキングが丁寧に丹念に

愛をこめて

自分なりの解釈で表現すると

あらあら、不思議、

完全に見たこともない世界が広がる

とにかく

脚本の構成が抜群にうまい

 

失踪した息子

錯乱する母親に息子の気配、そして呼びかけ

よくあるパタンだ

しかし

ここで観客は完全に母親に寄り添っているので

母親側の気持ちになる

さらに

周りに起きる怪現象を見せられるので

観客は

母親以上に

異次元世界のことを知っていく

そして

もうひとり

街の警察署長であるホッパーが

第三者として事件をおっていく

この署長が過去に自分の娘を

病気で亡くしている常軌を逸した母親にも

同情的だ

さらにここが巧みなのだが

80年代という設定なので

悪の組織が多少、迂闊で

セキュリティが緩くても

それほど気にはならない

金網を切って潜入して

敵の秘密を探るなんて描写久しぶりにみた

娯楽映画は単純であればあるほどいい

ただ

リアルでなければいけない

最近の映画もドラマもこのリアルの壁が

上がるだけ上がりきって

複雑怪奇になっている

どうせ嘘話

でもその大嘘をいかにも本当らしく語るのが

ジャンル映画の宿命だ

まあ、なんども引き合いに出して恐縮だが

JJのドラマなんか見ていると

その化学的説明いる?と思うシーンがある

このドラマは

そこを構成の巧みさによって

鮮やかに飛び越している

そして

これが

このドラマの最大の成功の要因

 

観客を絶対に裏切らないこと

いやなやつはひどい目にあう

怪物は出てくるし

主人公は

大変な目に遭いながら助かる

 

つまりは

観客がこうなってほしくないという方向に

連れて行きながら

(それがサスペンスになる)

最後は

こうなってほしいという結末に集約していく

つまりは

やっぱりいまの観客も

キングやスピルバーグや

カーペンターが好きなんだということなのだ