402 「キングスマン」 すべてが僕好みのオーダーメイド的映画 | ササポンのブログ

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そしてサントラなブログ
ひとを観ていないものを観ます

マークハミル


まず僕の世代、40代、50代の人間で
洋楽、特にロック好きは
オープニングは
絶対に、
鳥肌を立てながら笑います

ska-n-tasticさん、kazzpさん
ほんとに、これは僕たちの映画ですよ
OPにあの曲のあの部分を
あんな使い方をするなんて

きっと
劇中にも洒落た音楽の使い方が
されていると思いますが
その辺はおふたりに
お任せします




なんというか
もう
すべてが
完全な僕のような映画オタクの
血を騒がせるパーツで出来ている映画

もっと
細かく言えば
アクション、スパイ映画の要素

それを
現代のスピードで、
過不足なく羅列する

とにかく
その並べ方
つまり
構成に一切の無駄がない
もう
病的なほどに無駄がない

さらに
そこにあるスパイスがふりかけてあります

イギリスといえば
これしかないでしょう

そう
あまりにも悪趣味なブラックユーモア

特に
ラストのあるシーンは
完全に
「ドクター・ストレンジラブ」です

久しぶりに
劇場で
大笑いしてました
ひとりで

まあ
極爆なので誰にも聞こえなかったでしょうが




この映画
監督の「キックアス」のマシュー・ヴォーンが
明らかに意識した映画がある



マイケル・ケインの『国際諜報局』
007のアンチ的な立ち位置で
制作されたこの映画

徹底的に
007とは違う
労働階級のスパイ
下品な言葉使いと
やぼったい黒眼鏡

この辺の設定は、
キングスマンにおいては
主人公のエグジーにおいて生かされ
コリン・ファースとマイケル・ケイン扮する上司は
そんな彼を、
エリートスパイに育て上げる役柄だ

恐らくは
音楽や名前を含めて細かい引用やリスペクトに
満ちた映画であろうが
僕にはかなりの部分がわからないと思う

だから
その辺は、つわものどもの任せて
僕は物語のほうの感想に力点をおきたいと思います

ちなみに
この写真の方は誰でしょうか?
ヒントは
超有名な映画の新作が控えた
誰もがご存知のかたです
僕は映画を見ている間
気がつきませんでした・・
答えは、このブログの最初のポスターの左上に
こそっと書いてあります

さて
ここからは
ネタバレです



昔から
脚本を勉強する上でよく言われたことですが
どんなに悪党でも、
野良犬を拾って
かわいがる描写があれば
観客の同情を引ける

この映画において、
エグジーが唯一、他のスパイと違うのは
犬を殺せなかったこと
実際は
誰も殺さなかったわけだが
実際に引き金を引けなかったのは
エグジーだけ

これは
個性豊かな脇役に囲まれて
ともすれば
埋もれてしまいそうな
主人公の存在を
浮かび上がらせている

この手の映画は
話は大体、決まっている
特に
ジャンル映画は
物語の流れは、
わかる

スパイ映画において
悪党の野望は潰える。
なぜなら
悪党の野望は
制作時期に起こって欲しくないこと
大体は
大量虐殺だ

これが
実現して終わったら
なんの映画かと思う
未知への飛行じゃないんだから・・と

だからといって
最近は、何が起こるのかわからない
TVドラマの氾濫で
単純な筋書きでは
客は満足しない


そこでこの映画がやったのは
センスのいい悪ふざけだ



ラスト近くの、
頭ばっかんにかぶさるふざけた音楽

凶暴になった民衆の酒場の喧嘩な感じ

それらはもう見ていて楽しいから
観客は
拍手喝采する

頭が爆発するやつらは
悪党に選ばれた、金持ちなので
罪悪感はない
ただ痛快なだけだ


あの教会での殺戮ダンス。
悪ふざけもここまでくると
美しい

基本的に
映画の暴力は美しくて楽しい

創意と工夫で
どこまでも
なによりも楽しくなる。

映画における暴力は
無限の可能性を秘める

それは
MAD MAXでも
この映画でも
十二分にわからせてくれた



菊池成孔氏が、
こんなことを言っていた

「最近、すべての分野で90年代が正しいとされている」

最近のヒットCDも
まったくいつの時代のCDだと思うほど
90年、80年代だ
たしかにその時代を生きた人間にとっては
うれしいが
反面、これなら昔のCD聞けばいいじゃんと思うこともある

タランテーノ以降
コピー、リスペクト、懐古趣味は
許される表現になった

それらが
新しい衣によって新鮮に見えれば確かに
楽しい

ただ
80歳の、創始者のジョージミラーが出てくると
やはり
すべては吹き飛んでしまう感は否めない