
ska-n-tasticさんも指摘しているけど
この映画のDVDのジャケは本当にひどい。
このジャケの何がひどいかといえば、
なにもかもがひどい
まず
レイアウトがひどい
さらに
写真自体が、
この映画にない写真を使っている。
つまり
このジャケはこの映画のなにも伝えていない
別に
売りのないB級映画をジャケを日本向けにするという
宣伝方法を否定はしない
ただ
いまは、
情報の時代だよ、
マイナーな映画でも
いや、
マイナーな映画であればあるほど
マニアックなファンは
エッジの効いたセンスのいい売り方を
望んでいるのに・・。
B級の極致のような「ホステル」だって
こんなにセンスのいいジャケなのに
1枚目の写真は、
アメリカ版のポスターです。
自分たちにセンスがないなら
これを、
そのまま使えばいいじゃん
要するに
日本のDVD会社の人は
この映画の凄さがわかんないのね
まあ、
愚痴はこのぐらいにして、
この素晴らしき超娯楽映画を紹介しよう
まーーーーあ、素敵
このポスターなんて、
完璧じゃない。
萌え萌えよ
とにかく
この映画のなにがすごいって
何もかもがすごい。
完璧なんですわ
娯楽映画として。
この映画に対して、
あのいやな言い方
「これはただのアクション映画ではない」という
評があった。
つまりは
ブラジルが抱える、
権力社会の構造的な問題
特に
警察内部の矛盾を描いてはいる
ただ
僕はそんなことに感心しているわけではない
そんなのはアメリカの刑事映画、
ドラマでなんども描かれている。
優れた作品もたくさんある。
この映画がすごいのは、
映画を面白くするためのテクをすべて兼ね備えているという点だ。
まず
冒頭のメインタイトルで、
前作「エリートスクワッド」の
シーンを、
フラッシュで見せる。
その見せ方が、
かっこいいのだ。
もうそこから観客は、
物語世界に引きずりこまれる。
ここからは、ネタバレ含めてたっぷり分析しますので、
未見かたは、ぜひ、観てから読んでください
前作『エリート・スクワッド』のあとも、
ナシメントはBOPEを抜けることなく任務に励んでいた。
しかし、刑務所で起きた暴動への対応から非難を受け、
ナシメントはBOPEを除隊させられ、
公安部へ異動することになる。
その頃、
BOPEの活躍でドラッグ・ギャングたちの勢力が弱まったスラムでは、
腐敗した警官たちが私欲を満たすための新たなシステムを構築しつつあった……。
メインタイトルが終わった途端
病院から出てきたナシメントが、
襲撃される。
そこで
まるで死んでしまったようなナレーションを入れ、
そこから
回想するという
アメリカ映画によくあるパターン(ナレーションでもそういっている)で、
はじまる。
その襲撃に至る発端の刑務所のシーンは
凄い。
争うギャングたちを1つの刑務所に詰め込んでおけば、
そのうちに
殺しあうだろうという、発想がすごい。
その目論見通りに
殺しあいをはじめる、
ギャングもバカでいい。
適当に争った後に
暴動鎮圧いう形で
処分してしまえというのも、
いかのも
BOPEのナシメントらしい。
彼の命令で
作戦の前線には、
マスターオブBOPE
メシメント魂を仕込まれ、
前作のラストで、
見事にBOPE色に染まったマチアスがいる
よ。まってました
そのまま
いつものように
任務が遂行されれば
まあ、
よくある
本当に狂暴なのは警察かギャングか・・的な話になる
ところが
そこに人権家のフラガという男が入り込んだから
話はややこしく、面白くなる。
結局、
マチアスは、
メシメントの待てと命令を無視して、
ギャングのボスを殺してしまう
その責任を取って
ナシメントが降格されそうになったが、
そんな彼を助けたのが
一般市民というのがいかにもブラジル。
クズのようなギャングを殺してくれた
ナシメントに拍手喝采。
結局、
彼は、公安部に昇格してしまう。
この辺の皮肉が後々の展開に効いてくる。
そこから描かれる
悪徳警官たちのクズっぷりは
もう
見事だ。
メシメントや、BOPEの活躍で
ドラックデイーラーたちの上りが少なくなった彼らが
代わりに作り上げた「システム」の極悪ぶりは、
怒りを通り越して、
感心してしまう。
金と権力を手に入れるためなら
スラムの人間の命など
ゴキブリ以下だと思っている、
警官たちの悪辣ぶり
それどころか、
自分たちの保身のためなら、
同業の警察官でも殺す。
さらに
選挙の票集めのために
このシステムを利用する
政治家たち
もう
悪とクズの見本市だ。
もちろん
こいつらに
制裁をくらわすのが主人公であるべきメシメントの仕事だが
彼自身も、
そんなに単純な
いいひとではない
なんせ
ちょっと前までBOPEの隊長として
スラムに銃弾の雨を降らせていた男だ
ただそんな彼だからこそ
善行の裏に隠れた悪の正体がよく見える
警官という名の悪の執行人の姿が見える
だから彼が、
最終的に、
反撃にでるきっかけが
極めて家庭的な理由というのも
納得のいく展開だ。
さらには、
いがみ合っていた
人権家のフラガと
いろいろな複雑な関係を経て
最後には協力して
暴力ではない形で
悪と対峙していく構成は
見事に感動的です。
本当に
久しぶりに
文句のつけようがない
あっぱれな
娯楽映画の見本のような
つまりは
めっちゃくちゃおもしろい
映画を観ました
最後になったけど
監督のジョゼ・パジーリャには
ぜひ
ブラジルに帰って好き勝手、映画を撮って欲しい
あなたは予算がなくても、
凄い映画が撮れます。
ぜひ
ジョニー・トーのように母国で
好き勝手、どんどん撮って欲しい・・