観た人間はみんなが、みんなに
語りたくなる映画
話題になって
観ようかなと思ったときには
すでに公開は終わっていて
いまさら
DVD鑑賞となってしまった
僕自身でいえば
あの映画館のシーンはもう勘弁してくれ・・と
劇場に
クラスいちの美女がいた・・なんて経験はないけど
あの時の
前田の幸せとそのあとに起こる
大いなる勘違いが・・
ほんとうに
必然のようによくわかる
もう本当に勘弁してよ・・と
そうだよ!!
そりゃ、ひとりで
にっかつとか
東映のやくざ映画とか
ひとりでみてたよ。
そりゃ、
おんなじマニアックな映画を理解してとはいわないが
付き合って観てくれる女の子は、いて欲しかったよ
勘弁してよ
ほんと
男子校でよかったとおもう
女の子のことなんか意識しないで
映画のことだけを考えてた
モデルガンを振り回し
血糊で真っ赤なりながら映画、撮ってた
前田は、
あまりにも僕で
もし男女共学ならきっと前田たちみたいに
笑われていただろう
ほんと
男子校でよかった。
この映画で最強なのは
やっぱり
野球部のキャプテンだろう
なんの疑いもなく好きな野球に打ち込み
3年生になっても
続ける
「ドラフト会議が終わるまでわな」
ほんと
すばらしいセリフです
好きなことを好きでいるということに
なんの疑いもない
僕も
高校時代はなんの疑いもなく
授業も聞かずにシナリオを書いてた
だから
いまがあるんだけど
心の中では
もし
僕がイケメンで背が高くて
モテてたら映画がこんなに好きで
映画をこんなに観て
シナリオなんか書いてたかな・・と
この映画がここまで盛り上がり
みんなの心に響いたのは
誰も勝ってないし負けてもいないということ
冒頭はほんとに「エレファント」に似ている
監督もいっているが
銃撃戦のない「エレファント」だ
あるべき日常をリアルに描きながらも
ずれていく
たった
ひとりの男の不在がここまでひとの弱さを
むき出しにする
「エレファント」も
周りの人間が、明らかに
自分より優れていると
思っている
少年たち
破壊と自滅の物語だ
キスもしたことない少年たちが
狭い学校世界が
世界のすべてと思い込み
ただ破壊する
この「桐島、部活やめるってよ」は、
「エレファント」で殺された、
容姿も性格も
恵まれた生徒たちの中にもある
いや
そういう彼らこそが
狭い、狭い
学校世界の
さらに
狭い
仲良しグループの脆さと
意味のなさを
繊細に描く。
好きなものを
好きな人を
好きで居続けることが
それほど
苦も無く
出来ることが
これほど
素晴らしいことだと気づかせてくれる映画はない
僕は来年50になる
独身
でも高校時代に好きだったことが
いまでも好きで
おかげで
ひとりではない
寂しくもないし
不安もない
好きなことを見つけ
好きでいればいい
それだけで
ひとは強いんだ
僕は死ぬまでドラフト会議を待つ
選ばれるか
選ばれないかは
問題じゃない
そんなのは
問題じゃない