
先日、無事、購入したキースエマーソンの「at the movies」。
ここに収録されている映画で、やはり一番、懐かしいのが「幻魔大戦」
原作平井和正、石ノ森章太郎。
監督りんたろう、キャラクターデザイン大友克洋。当時、最も勢いがあり、集客力のあるふたりを、組ませたのが、これまた強大な権力を有した角川春樹率いる角川映画。
角川文庫で人気のあった、この小説のカバーのデザインをすべて大友克洋の絵に変えようという暴挙にもでた。(結局、全巻は無理だったようだ)僕は、すでに持っていた本なのに、表紙欲しさに、もう一度、買わされた。つまりはこれが角川商法であります。

この角川商法に乗せられて、僕はいろいろなものを、知った。
松田優作のかっこよさ、横溝正史の世界、そしてキースエマーソン。
とにかく何度も聞いたLPだった。

ただこのLPは、総合的に観ると、ひどい欠点がある。
この映画の音楽を担当したのは、キースエマーソンひとりではないのだ。
もうひとり青木望という、日本アニメ界の名劇伴作曲家も担当している。
はっきりいって監督のりんたろうは、青木望を希望したのだと思う。
なぜなら彼とは「銀河鉄道999」を一緒に作った名コンビだからだ。
なら、なぜ、このような変則的な器用となったのか?
真実は知らない。知りたくもない。
ただこんな形は、ふたりの優れた作曲家にとっても名誉なことではないだろう。
それにもかかわらず、ふたりとも素晴らしい音楽を作った。
どんな状況であろうとも、ベストを尽くす。
ふたりの作曲家としての職人魂に、拍手拍手であります。

ただ僕が最も好きな人たちが結集したのに(脚本は、あの桂千穂先生と内藤誠監督)
映画自体は、傑作とはいいがたいものになってしまった。
ほんと、映画というのは不思議なものだ。
凄いスタッフを集めたからといって、名作ができるわけでもないのだ。
恒例になったおまけ画像

これは欲しいなあ。でも凄いシンセ。時代を感じますなあ。