一人目・ジョン・ランディス(3)ブルースブラザーズ!! | ササポンのブログ

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映画が好きで、この映画を見ていないひとは、幸せであります。

これから観られるのだから。


映画が持ちうる楽しさを、すべてぶち込んだような、それでいてマニアにもうれしい奇跡のような映画。


そして、

ランディス映画のすべてが盛り込まれた映画でもあります。

そうです。

これこそが、ランディス映画、そして、恐らくランディス自身なのでしよう。





「MIB」などにオマージュされたこのおなじみの格好をした、ジョンベルーシーとダンエイクロイドが、暴れまわるコメディ・・といっても、このふたりは、そんなに暴れない。


このふたりが、行く所々で、なぜか敵をつくり、それらの方々が、勝手にまわりで、暴れているだけ、それがまた楽しい。


        

警察も、ネオナチも、完全にコケにされているわけだが、コケにされている彼らが、とにかく、かわいく見えてしまうのが、ランディス映画だ。

なにをやっても、へたすれば、ひとを殺しても、かわいくなってしまう。


なぜそんな風に見えるのか?


監督が、映画に出てくるすべてに愛情を持っている、そしてそれが画面を見ている観客にストレートに伝わってきて、共有できる。

すべての映画監督が、そうあるべきなのだが、できるひとは、そんなにいない。




映画のストーリーは、単純というよりは、大して意味がない。

映画は、しっかりとしたストーリーの上に成り立っているもの・・なんて思っているひとがいたら、つまらない、退屈だと思うかもしれない。


構成的にいえば「不思議の国のアリス」です。


刑務所から出てきたジェイクと仲間のエルウッドが、シャバという、アメリカという不思議の国を走り回る。


まわりで、愉快なやつらが、歌い、踊り、破壊する。


さて、その愉快なやつらの顔ぶれがものすごい。




ジェイムス・ブラウン、アレサ・フランクリン、キャブ・キャロウェイ、レイ・チャールズ、そしてスピルバーグ、フランク・オズ、キャリー・フッシャーなどなど。


特にジェイムス・ブラウンが歌い説教する、教会のシーンは、恐ろしいぐらいに、楽しい。ちらっと若き日のチャカ・カーンも映ってます。



アレサ・フランクリンの食堂のおかみさん、レイ・チャールズの楽器屋の主人・・もうここが映画のクライマックスだとばかりに、歌い、盛り上げる。




こんな、いい意味でいえば、個性の塊、裏を返せば、我がままの帝王、女王たちを、自由に操ることができる魔法使いは、ジョン・ランディス以外、ありえない。




映画の楽しみ方は、色々で、

どんな映画が存在してもいいし、

どんな映画が好きになってもいいけど、


僕は、この映画を楽しめないひとと、

映画の話はできません。


暴言であることを承知でいえば、

この映画を楽しめないひとは、映画の楽しさがわかっていない・・と。

「2001年 宇宙への旅」をわからないと言ってもいいが、

この映画をわからないとは言ってほしくない。


さて、こんな凄い映画を作ったランディスも、ある事件をきっかけに

恐ろしいほどあっけなく、凡庸なひととなってしまいます。


それは、またねくすと・うえんずでぃに・・。