銀行強盗決行。でも手違い。逃げようと思ったが、警官に囲まれ、再び、銀行に。
客と行員を、人質にたてこもる。
警察側、交渉人、登場。
もうあまりにもやりつくしたパターンで、はじまる、このドラマ。
ただこのままパターンで、終われば、企画そのものが通らないはずである。
このドラマの脚本家は、サミュエル・L・ジャクソンとケヴィン・スペイシー共演の「交渉人」(1998年)の脚本を共同執筆したジェームズ・デモナコ。
あの隠れた名作「交渉人」だ。あれも、凡庸な脚本家なら、まるでパターンの映画になっていただろう。
さて、この後、どうするデモナコくん・・。
犯人のリーダーを演じるのが、ジョン・レグイザモである。あの「ロミオ&ジュリエット」でパンクなディボルトを演じた最高にかっこいいコロンビア男である。僕は、このレグイザモが大好きである。いい面である。俳優として得難いかっこよさである。
レグイザモ、演じるリーダー、ウルフの元に動く、仲間たちが、えらく動きがいい。理由はすぐにわかる。同じ部隊の兵隊たちなのだ。
ここであの「ダイハード」からおなじみとなった警察より、犯人のほうが、頭がいいし、行動力がある・・というパターンが展開する。
結論からいえば、腰が抜けるような、新しいパターンはなかった。
ただそのパターンを並べるセンスが抜群にうまいのだ。
警察側のちょっと間抜けな上司、もっと間抜けなFBI。人質の人間模様などなど、パターンを、うまくならべて、そこに、ちょっとした工夫と、感情を滑り込ませる。
これに、犯人と交渉人の駆け引きが加わる。
この辺は、もう脚本家、デモナコくんの独壇場である。
あと新しいパターンはなかったと書いたが、おおっ、これはなかなか・・というアイディアは2つあった。ヒントは、「外部との接触」
WOWOWが見れるひとは、見てほしい。
まず人質交渉モノのパターンは、ほとんど網羅している贅沢な作品であります。
でもやっぱり一番は、レグイザモ兄貴である。
さすが自作のひとり芝居で、35週間のロング・ラン公演記録を持つ男である。
画面をさらう演技というのは、こういうのを言うのであります。