4 「ザ・ドライバー」 感情が一切ない映画 | ササポンのブログ

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この映画の登場人物の名前は、すべて職業です。

ドライバー、刑事、ギャンブラー・・。

彼らの行動哲学や倫理感は、すべてそれぞれの職業のそれと同じであります。

簡単に言うと、ドライバーは、依頼人を、車に乗せて、逃げる。乗ってきたのが、誰であろうと、犯罪者であろうと詮索はしない。


ギャンブラーは、ただ賭博するだけ。相手が誰であろうが、その人物から金を巻き上げることのみ。


刑事は、こいつが犯人と決め付けたやつを追いかける。


こんな3人の行動ラインが、ある事件をきっかけに、交わった。


刑事は、犯人の逃亡を助けたドライバーを追う。

ギャンブラーは、その事件の目撃者。

ギャンブラーは、女。なので、ドライバーとの恋愛状態・・にはならない。

なぜなら彼らの感情は、その職業の感情。ドライバーも、ギャンブラーも恋愛はしない。だから、彼らは出会っても恋愛なし。もし女が娼婦なら、セックスしたかもしれないが、ギャブラーだからしない。



この映画の脚本、監督はウォルターヒル。

「ストリートオブファイヤー」「ウォーリアーズ」「ジョニーハンサム」「48時間」

この映画ほど、極端ではないが、ほとんどの登場人物は、職業的な行動倫理に従って行動している

保安官は保安官らしく。悪党は悪党らしく。



普通のひとが見れば、紋切型としか映らない人物設定。

しかし創作者、特にシナリオライターにとって、この人物設定は驚異、特に「ザ・ドライバー」は、驚愕なのです。


こんなシンプルな人物設定でおもしろいドラマができるのか?


僕は、名画座でこれを見て、腰が抜けそうになった。

あまりにもシンプル、感情というやつが一切ないのだ。

行動だけなのだ。

これを、くだらないと思うか、すげえと思うかは、人それぞれ。


僕は、素晴らしすぎて腰が抜けた。