5月の下旬ごろ、うちの部署に研修生が配属されてきた。
名前はMさんでフィリピンのセブ島からやってきた。
今回は特に現地で優秀な技術者が、
日本で約2ヶ月の研修を受けるというシステム。
中国とフィリピンの工場からそれぞれ1名づつ、
たった2名だけの狭き門。
しかもうちのようなこじんまりした部署に来たのは意外。
みんな年輩者が多く技術的なことには素晴らしく長けているが、
やはり教育する面では最初の頃はそこそこ大変。
彼女は日本語はちょっと分かる程度。
通訳なしだから大変。
やっぱりビジネスだと専門用語も飛んでくるから、
意外にオイラも出来ない。
まあただ仕事をはなれればコミュニケーションはなんとか。
本当彼女は人なつこくて、必ず全員にあいさつに行く。
けっこう日本の人ってシャイだから目を見てあいさつできないし、
言ってもボソッと言うかもしくは返事もしない人もいるしね。
しかもすごいところはどんな人にも、
自分から話しかけていったところかな。
彼女の故郷セブは言わずと知れた観光地だが、
一歩入った庶民の生活はそう豊かではないらしい。
われわれの想像以上にきびしい。
まず家には電化製品がほとんど無いらしく、
かろうじてテレビと冷蔵庫があるのみ。
1番ほしいのは洗濯機でこれがあれば
時間を他のことに使えるのにと嘆いていた。
あと彼女が日本に来て一番驚いたのは物価もそうだが、
電車が正確にまんべんなく走っていることらしい。
性格はまあ~一言でいうと天然の人。
疑うことをしらないから契約なんてみんなハンコ押しちゃうかも。
そんな彼女もそろそろ日本を去る日も近い。
この前の週末オイラも誘われたんだが、
イベの嵐でムリだった。
まあせめて送別会くらいはハデに祝ってやろう。