偏差値35④目指す職業は新聞記者 | 偏差値35からの上智大外国語合格記

偏差値35からの上智大外国語合格記

息子が東大理科一類を受験するも不合格。浪人生活を送ることに…そういえばオレも浪人時代を過ごしたな。色々と思い出したので、自分の体験談を残そうと思いました。底辺校どん尻からの大逆転劇です。何かの参考になれば幸いです。

 酒井先生の講義で、ちょくちょくと体験談が出てきました。その一つが「盲目」という言葉です。現代文の問題で「盲目的に~」という表現が出たとき、酒井先生は授業を中断。

 

 そして「いま盲目という言葉が出てきました。ここで疑問に思いませんか?」と生徒たちに問いかけてきました。どういうことかと思っていたら、次のようなエピソードを話してくれましたね。

 

 ある年、盲目の生徒が入塾してきました。毎回一番前の席に座り、講義を聴きながら点字タイプライターでノートを取っていたそうです。帰宅してからは母親にテキストを読んでもらいながら学習。ある日、テキストを読んでいた母親の声がぴたりと止まりました。「お母さん、どうしたの?」と生徒が尋ねると、母親は「盲目という単語が悪い意味で出ているから…」と返答。それから2人は抱き合って涙を流したそうです。

 

 その翌日、生徒は酒井先生に事の顛末を説明し、「先生、目が見えないことは悪いことなのでしょうか?」との問いを発したとか。酒井先生がなんと応えたのか覚えていませんが、このエピソードを聞いたときに言葉というものの大切さを痛感しました。

 

 そして言葉=文章を扱う仕事に就きたいと考えるようになりましたね。努力している人がまっとうな成果を得られるような国にしたいとも考えており、政治家も一つの選択肢。しかし当時は公募制がなく、秘書を経験してから選挙に出るという流れだったから一般人には壁が高い。

 

 新聞記者であれば、記事を通して世論を味方に付けながら変革を迫れるのではないか…。そう考えて新聞記者を志すようになりました。