5:ナックル・シュート・パーム(系統分類) | ばんぶーのブログ

5:ナックル・シュート・パーム(系統分類)

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◇ナックル=バイン

主系統不明の能力者に分類した。

■能力:天上不知唯我独損(ハコワレ)

強制的に相手にオーラを貸し付け、相手の借り入れオーラ(利息含む)残POPを超えた時、30日間絶状態にする能力(トリタテンが相手に憑く)。ちなみに利息はトイチ(10秒につき1割)かつ複利なため雪ダルマ式に増えて行く

 ナックルはハコワレで殴る時(オーラを貸し付ける時)は相手にダメージを与えられないが、相手も借り入れオーラ(利息含む)が残っている内はナックルにダメージを与えられない。

 10秒に1回、利息がついたことを告知するマスコット・ポットクリンは無害故に無敵であると端的に作中では説明されているが、正確には制約と誓約のためかと思われる(ポットクリンは輪郭線から具現化物でよいだろう)

 相手に利息がついたことや利息の数値(攻撃されれば増え、ナックルに攻撃を当てれば減ること)を告知することは相手に自らの能力のヒントを与える行為であり、相手にとっては利益になり、術者にとっては不利益にしかならない。

 しかしそれはリスク故のバネとして能力の底上げになりうる。しかしながら、もしポットクリンが簡単に壊れてしまった場合はリスク足りえない。そのため相手が仮にポットクリンに攻撃しても、あるいはポットクリンに攻撃したわけではないが攻撃に巻き込んでしまった場合でも壊れないという性質それ自体が制約と誓約になっているためかと思われる。

 

 つまり、ハコワレは放・操・具の3系統に跨る能力かと思われるが、能力の核心部分は具現の特殊性(不壊性)ではなく、「相手にオーラを貸し付ける」点か、相手を「強制絶状態」にする点のどちらかかと考えられる。

 前者は―徴収型(オーラを奪う)が放出系であることを考えれば、その反対の貸与や譲与も放出系であろうことから―放出系に属する力であろう。

 後者は―“ポットクリン”はAOP型(ナックルの気絶で消えたため)だが、30日間もその相手に念獣を付け続けることを考えれば“トリタテン”は恐らくEOP型(AOP型だとナックル気絶時など相手は開放されることになるため)で、かつ相手にルールを強いることを考えれば、クラピカの小指の鎖と同様に―放出系操作系の力が必要となろう。

 

 どちらも放出系の力を要するならナックルは放出系でよいかとも思うのだが、操作系であっても放出系能力は80%の威力・精度で使用可能であり、かつ重要な点としてナックルの貸し付オーラが低い点が気になっている。

 メレオロンとのコンボ中は―効果が高くなればその条件も厳しくする必要があるだろうから―効果範囲が半径100mから50mに減少しただけでなく、貸付率も下がっていた可能性があるためユピー戦以降は除くにしても、どうも全体的に低い様に思われるのだ。

 

 まずゴンのケースだが、あの時のゴンはAOP1800(POP21500)であり、

ナックルは「改めて見ると見るとすげェオーラだぜ。総量だけでいったらプロの中堅クラスと遜色ねェ…!!!」と、冷や汗をかきながらも評価していたが、“念を習得してからの年月やゴンの年齢を考えればすごい”程度で、さすがにナックルのオーラの総量はゴンよりは上だろう。

 注目したのは相打ちのシーンである。

 状況的にお互いに通常攻撃(纏~硬)で戦っており、ゴンのAOPは特段、発を用いていないから100%(=AOP1,800オーラ程)だが、ナックルはAOP型のハコワレを起動させているから、ナックルのAOPは100%ではない(100%-ハコワレ分)

ハコワレにどれほどのAOPを割いているかは不明であるが、この相打ちシーンで「ゴン→(150)→ナックル」なのに対して、「ナックル→(180)→ゴン」である。

 ゴンがオーラの操縦がまだ下手だという点があるにしても、「ゴン<オーラの総量<ナックル」なのは伺える。

 大まかだが「ゴンAOP1,800(POP21,500) < ナックル < モラウ(POP70,000程度)」という関係なのかと思われる。

※ちなみにハコワレは相手にダメージを与えられないため、ゴンは防御無視で全オーラを攻撃に回すこともできたかもしれないが、ナックルがハコワレ中、“ハコワレ以外で殴ることが出来ない”とも言われていないため、「ゴンが攻撃に込めたオーラ量」と「ナックルのゴンへの貸付オーラ量(利息含む)」によっては、むしろ逆にナックルが防御無視で攻撃にオーラを回すことも可能かと思われる。

 

 そしてゴンへの貸付率が低いのは「本気でやる」とは言いつつも“どこか本気を出せずにいた”等の理由でも処理出来そうだが、

ヂートゥへの奇襲は、相手がギョッとして硬直してしまうことからも「凝」以上(少なく見積もっても50%以上?)で殴れる状況かと思われるのだが、貸付オーラは310である。

 

 もちろん、どのような計算でオーラを貸し付けているかはわからないが(ダメージ量、オーラ量、防御と相殺したダメージ量、防御と相殺したオーラ量etc...) 「天上不知唯我独損=オレ一人が損していることを誰も知らねぇという能力名の通り、ナックルが相手に貸し付けるオーラのみ“マイナス補正が掛かっている”のかとは思われるが、一番得意な系統でマイナス補正を敢えて入れているのか(ナックル=放出系の場合)能力の効果が強くなりすぎるために主系統以外でマイナス補正を入れることになったのか(ナックル=操作系の場合)は判断が付かない。

 

 ちなみにアニメでは、

「天上“天知”唯我独損=神様だけが自分が損していることを知っている」となっていた。

「天上不知唯我独損=オレ一人が損していることを―神様含めて―誰も知らねぇでは、“神様は万能じゃない”と神を否定することになるからダメだったんですかねぇ。誰の判断でこうなったの^q^?

(個人的にはアニメスタッフを信用も評価もさほどしていないため、単純に“確か天上天下唯我独尊ではなかったよなぁ”程度の認識で原作を確認もせず作ったか、編集が渡した設定集の中には作者の“初期プロット”も含まれていて、それでは“天上天知”だったのではないかと感じている。)

 

 話を戻すが、ではNo.203でナックルがゴンのグーを受けるシーンを引き合いに出した場合はどうか。

 緊張と緩和(=ギャグ)のシーンで使われてしまっている要素もあり、目が覚めた後のナックルの様子から重症を負っている様な様子はなかったものの、恐らく「ナックルの防御力<ゴンの攻撃力」なのは事実かとは思われる。

 

 しかし単純な3点式で考えるが―、

 ナックル=放出系:AP+SP(強化=80%) < (1,800+1,800)×1.12=4,000:ゴン

 ナックル=操作系:AP+SP(強化=60%) < (1,800+1,800)×1.12=4,000:ゴン

 ―となってしまうが、もしナックルが80%の威力・精度で強化系を使えたなら、耐えられてしまう様に感じるのだ(それとも強化は苦手?)

 そう考えると、ナックル=操作系の方がしっくり来る部分もあるのだが、その一方でゴンが怒りを引き金に眠れる力を引き出す描写は多々あり、この時のゴンも怒りを必死に抑えている描写が挟み込まれているため、上記計算式の参照値自体が異なる可能性もあり、ナックルを明確に放出系操作系のどちらかだと断定するのは難しい様に思われた。

 

 28巻No.300での、

“ゴン…そいつ(ピトー)、ハコワレで撃っとくか?”

“万が一奴が逃亡しても場所がわかっし、反撃して来たらオレのポットクリンが盾になれるぜ

―という発言から見るに、恐らく基本的には自身のオーラを貸し付けることを想定した能力だが、誰のオーラを貸し付けるかは選択可能で、ゴンのオーラをピトーに貸し付ければ“利息が残っている内はピトーがゴンを攻撃しても盾になれる”という意味であろう。

 

 貸付率などが激減するような説明もないことから、自身のオーラを貸し付ける場合と、自分以外の者のオーラを貸し付ける場合もハコワレの性能は同じ様に思われる。

 “自分のオーラだけを貸し付ける能力”に限定すれば、貸付率をもうちょっと上げられる様にも思われるが、そうしなかったことから他者のオーラを貸し付ける様な状況も想定していたのだろう。

 すると“特定の二者間にオーラの貸付ルールを強制出来る操作系能力”の様に感じられ、ナックルの主系統も操作系の様にも思われるが…、放出系に寄せた様に表現することも出来、やはり確信を持てる様な作中根拠に欠けるため、主系統不明(操作系かな?)程度に捉えている。

 

◇シュート=マクマホン

主系統不明の能力者に分類した。

■能力:浮き手×3、暗い宿(ホテル・ラフレシア)

→相手に一定以上のダメージを与えると―全身でも一部でも―籠に閉じ込めることができる能力。

 ダメージを与えるのはシュート自身でも浮き手でも良い模様。

 キルアは3つの浮き手の様子だけで“操作系能力者!!”と判断していたが、正直これが良く分からない。

 浮いていた3つの手から、ヒソカの様に何かを「隠」していて、それが浮かせている様に見せているのではないかと疑うまでは良い。

 そして何かを「隠」している様子はなかったことから、「手」の周りにある“オーラで操縦している”と考えるのもわかる。

 

 もし、“3本の手がそれぞれ異なり(男性の手、女性の手等の様に)、手首から骨や肉が覗いているような状態”なら、浮いている3本の手は“実物”で、殺した相手大切な誰かの手能力の核(=愛用品)とした操作系能力者と判断するのもわかる。

 だが、写真ではなく“漫画の描写”のため分からない部分もあるものの、3つの手は“同一”に見えることから“実物ではなく具現化物”の様にも思われる。

 

 次に籠が実物具現化物か、だがその判断は難しい。

 書き忘れなのか、この時点では中に誰もいないため籠の開け口が存在しないのかは不明のため敢えてそこは考慮しないが、正面のカーテンが空いているところの手前に階段が見えるため、条件を満たすと何かが出て来るか反対に―鳥かごから受ける印象から―閉じ込められるか、のどちらかのように感じる。

どちらにせよ、籠が具現化物だとしたら具現化系は空間内に様々な法則やルールを作り込む事に長けているから、あり得るだろう。

 

 浮き手に関しては、

左腕の袖を取るまでは浮き手を通常の左手の様に使用している様子があり、

袖を取った後も、1本で右腕の袖をたくし上げ1本は腰につけ、もう1本は宙に浮いている様子から―サダソの「見えない左手」の様に―3つの浮き手を自らの手の様に使用することが出来る能力かと想定され、籠との関係を考えると浮き手の攻撃が何らかの条件を満たす可能性が高い様に思われる。

 

 左袖が異常に大きかったことを思えば籠は実物の可能性もあるが、それを装っている可能性もあり、ウボォーがクラピカを操作系か具現化系か判断できなかった様に、この2系統は見分けが難しい。

 個人的には浮き手は具現化物で、籠は実物具現化物か判断が付かない(=どちらもありうる)といった印象で、籠がネックになって操作系具現化系かは出来ずにいるのだ。

 

 キルアの判断は“十中八九”合っているとは思われるが、裏を返せば“十中一二”は間違えている可能性もある。

 一例として「アルカを巡る家族の相関図がわかった」と言っていた際も、恐らくカルトがアルカに抱いている感情は“現在”のものではなく、“過去”のものかと思われるのだ(そうでないと、カルトが幻影旅団に入る理由として繋がらないし、キルアは“現在”のカルトの思惑を知る由がない)

 実際、レオリオをヒソカの性格診断を受けて“レオリオも強化系かな”と考えていたが、

能力を見た後には“放出系くせーな”と話していた事からも、キルアの印象や考えが必ずしも正しいとは限らないということだろう。

(“変化”を加えやすいオーラの性質から、変化系能力者は周囲の影響を受けやすい性質を持つのかも?と思うところはあるが、それは別の話)

 

 そしてシュートの能力はある一定以上のダメージを敵に与えるとそれを籠に―全身でも一部でも―閉じ込める能力で、籠から出ると元の大きさに戻るとわかっているが、

取られた側の状態がイマイチわからない。

しかし、拳だけ瞬間移動させた時の手首の断面(=恐らく骨や肉が露出している様な状態ではない)の様子と、似ている様に思われる(放出要素もあり?)

 

 また籠に囚われると、

奪ったモノが籠の大きさに合わせて小さくなる性質もあり(強化要素もあり?)、梟の「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)にも似ている様に思われた。

 

 ちなみに割符や携帯を、籠の中ではなく自分の体の中に入れていた能力が、別の能力なのか、暗い宿(ホテル・ラフレシア)なのかは不明。

 個人的には籠が具現化物であろうと実物だろうとも、それを材料にツボネ式具現をすれば―籠を取り込む様に具現、例えば籠と浮き手を取り込んで左腕を具現しているなら―“自らの体を籠”と同様に使え、割符や携帯を体に取り込んでいる様にも思われるが詳細は不明。

 以上のことから、籠が実物なら操作系の様にも思われるし、具現化物なら具現化系…むしろ放出系もありうるのではないかと思われ、判断ができず保留とした。

 

◇パーム=シベリア

系統は水見式で明らかなため異存ないが、余談が長くなった。

■能力:寂しい深海魚(ウィンクブルー)、暗黒の鬼婦神(ブラックウィドウ)

 まず、ウィンクブルーについて。

 右眼だけで見た者は水晶に記憶され、左目だけで「視」ればその水晶には記憶された者の現在が映る(“音声なし”の映像のみ)という能力で、視る事ができるリストは3人までで、もし右眼だけで別の者を見てしまったら古い順から削除されるという能力である。

 

 またこの能力には少なくとも、もう1つの使い方があり、

 ゴンやキルアの師匠であるビスケを探した様に、人魚像に血を捧げることで白雪姫の魔法の鏡が如く探し物を見つけることが可能な様だ。

 

 パームのこの能力は、念とは異なる第6感(霊感のようなもの?)をパームは元々持っていてそれを強化しているとも採れなくはないのだろうが、

念でも魂とやらに効果を及ぼすことができ、いわゆるこちらの世界で言われる“霊感”のようなものも“念の一部”に思われ、

恐らくクラピカの「導く薬指の鎖(ダウジングチェーン)と同じ類型の能力なのかと考えられる。

 

 そして恐らくだが、パームが“人魚さん”と呼んでいた“水晶を持った人魚のミイラ”っぽいものは、

“本物の人魚”のミイラ(死骸)を用いたものだったのではなかろうか。

プフの羽化の能力(恐らく摂食交配のプフ版)でキメラアント化したパームだが、手足に魚の鱗やヒレが生え、額に水晶が埋め込まれた様な姿だった。

 もし、件の“人魚さん”が本物の人魚のミイラだったならば、そのミイラ(人魚)+水晶+パーム=魚系が合成されたパーム(キメラ)という結果にも頷ける(硬い外骨格を持っていないのは、プフは“女王”ではないため、使用できるのは“劣化・摂食交配”だったためだろうか)

 

 そして注目すべきはブラックウィドウ発動時のパームとキルアの言葉である。

 “あたしは間違っていた、能力(チカラ)の使い方を…”

 “能力がツボにハマるとこんなにも変わるのか…!!”

―という2つの言葉から、恐らくパームのウィンクブルーは強化系ではない力(恐らく操作系)に振った能力だったのかと思われる。

強化系に属する能力者なのに、“誰かさん”のことをもっと知りたいと強い興味を持った結果、生まれた操作系の能力だったのではなかろうか。

本題である、念系統に関しては水見式で「強化系」と明かされているため特段触れるべきことはない。

 

→(次) ■6:ノヴ・モウラに続く。