3:操作系能力【H×H感想 3rd版】 | ばんぶーのブログ

3:操作系能力【H×H感想 3rd版】

←(前) ■2:放出系能力
→(次) ■4-1:特質系能力(その1)

 

続いて操作系について。

情報の更新という意味では、今回一番量が多いところ。

 

◆操作系能力について

→生物や物体やオーラを操ったり、ルールの創出とその強制が得意な系統

 

◇愛用品を失くしたら致命的

操作系能力は生物や物体を媒介しないとその力を発揮できない上、特に物体操作の場合は使いこんだモノ(愛着のあるもの)でないと威力・精度が上昇しないことが多いため、愛用品を失くしたら致命的というリスクがある。

 

◇誘導型・要請型・半強制型・強制型

操作系の中でも特に人や動物を操作する能力(=生物操作?)のタイプが大きく4つ明かされた。

相手を操作する力の強さや、用いるエネルギー量は、「誘導型<要請型<半強制型<強制型」となる様だ。

 

<誘導型>

カキンの第8王子・サレちゃんの守護霊獣の能力についてリハンが思考を巡らせる中で示された言葉で、特段詳しい説明はされていない。

しかし、その能力から考えるに「継続的な“攻撃”をもって、段々と相手を術者の思う方向に誘導する」タイプの能力かと思われる。

敢えて“攻撃”と表現したが各能力者ごとの操作条件を指す。

サレサレの場合は念獣の吐く煙を吸わせ続ける(=条件)と、相手がサレサレに抱く好感度を上昇させる(=効果)ことが可能であった。

リハンの見立てでは、好感度MAXの状態だと約8時間好感度±0の者だと約70時間で効果が出始める(その者の頭上にも念獣分身が出現する)というものであった。

つまり、1回1回の強制力は極めて弱いもののそれが継続された場合には強力な効果を発揮するタイプと言えよう。

 

一見戦闘には向かない能力にも見えるが、相手を殴る(=条件)相手のAOPを減少させる(=効果)など、制約と誓約の内容次第(自らも相手の攻撃を受ける度にAOP減少だとか、相手の減少効果は相手に30秒間攻撃加えないと解除されてしまう等)では、そこそこ有用な能力に化けそうな気もする。

 

<要請型>

「相手に選択の余地を与えつつ、術者のために動いてもらう事を目的する」タイプの能力。

またこの要請型の操作系能力者は「記憶補正」を用いることが圧倒的に多いと言われている。

 

記憶補正とは簡単に言ってしまえば、記憶の“一時的な”消去や改ざんである。

要請型の能力は相手に選択の余地を与えるため、場合によっては術者の目的を果たせないかもしれないという大きなリスクを抱えている。

しかし、そんなリスクを小さくするためにか、相手の記憶を術者にとって都合の良い様に“一時的に”書き換えることが可能な様である。

 

例えば、相手に攻撃の瞬間の記憶を残せば強い警戒心を生み、目的を果たせない可能性が高まってしまうが攻撃の瞬間の記憶を消し、その抜けた穴に別の記憶を上書きしたり、あるいは曖昧にさせることで警戒心を抱かせないことが可能な様だ。

作中の例では、

レオルがシャウから能力習得のコツを伝授して貰ったが、自分は覚えが悪くて使いこなすのに3日くらいかかった等と言っていたが、

実際には摂食交配のプフ版により習得していたことが挙げられるだろう。

多様な個を持つハズの人間蟻が女王存命中は女王の下から離れようとしなかったものの、女王絶命後は手の平を返すが如く態度を変えたのもキメラアントの摂食交配自らの生殖機能と念を掛け合わせた能力であり、その中の要素として要請型の操作系能力が含まれ、“一定の行動をする様に”あるいは“しない様に”仕向けられていたのであろう。

またイルミの針も、“ある状況下”で、キルアに選択肢を与えつつもイルミの思う様に動かそうとしており、さらにはキルアからアルカ(ナニカ)関連の記憶を奪っていた。

恐らくアルカ(ナニカ)の処遇を巡って意見がぶつかり、家族内指令によりイルミVSキルアとなるが当時のキルアが勝てるハズもなく針を刺されることになったのだろう。

アルカ(ナニカ)の力が念能力故にキルアから念に関する記憶も消す必要があったのか、“キルア闇人形計画”のためにはまだ不要だったため消されたのかは不明。

 

要請型の操作系能力は相手に“選択の余地”を残すため―キルアやジャイロの様に―相手に抗われる可能性を抱えている。

ちなみに記憶補正は基本的には術者が死んだり(女王の例)呪具を外されたりすると(イルミの針の例)元に戻るようだが、迎撃型(後攻)の制約(リスク)を背負ったりすることでより強い効果を発揮できる様子のため、洗脳レベルで根本的に変えることも可能なのかもしれない

 

「記憶補正」は要請型の操作系能力者が用いることが圧倒的に多い理由だが、後述の半強制型や強制型は相手が「半落ち」もしくは「完落ち」の状態に陥っているため、もはや記憶補正という小細工を行う必要ないのかと思われる。

 

<半強制型>

「相手の身体の自由を奪い取る、又は相手が自ら命令通りに行動せざるを得ない状況に追い込む」タイプの能力。

作中ではカキン第12王子モモゼの守護霊獣がこのタイプだったと示されている。

モモゼの守護霊獣の能力は―

ネズミ型の念獣の「おヒマ?」という問いかけに“反応する”と、蜘蛛熊型(?)の念獣が相手に憑き、相手がYESを応えるまでネズミ型の念獣が暇かと問い続け、相手がYESと応えると相手の体の自由を奪い取ることができる能力かと思われる。

カキンの念が「壺中卵の儀」に影響受けてか呪術的な要素が強い様にも思われるが、これはカキンのみで発展した念技術という訳ではなく、半強制型と呼ばれる操作系能力の典型の1つである様だ。

 

その一方で、

“念の知識はあちら(ハンター側)が上”

と言われていた割にはサイールドが操作系能力の典型に簡単に引っかかってしまっているという印象が拭えないが、“念での人との戦い”に不慣れで、“念での自然との戦い”に特化した暗黒大陸探検要員のため仕方がないのかもしれない。

 

さて、“相手の身体の自由を奪い取る、又は相手が自ら命令通りに行動せざるを得ない状況に追い込む”のが半強制型の能力で、モモゼの念獣がこのタイプというが、恐らく前者のタイプだと言っているのかと思われる。

サイールドは“おヒマ?という問いに応えたために体の自由を奪い取られ、協専仲間や警護の者達を刺し殺した”のであって、“おヒマと聞かれまくった結果、仲間達を殺さざるを得なくなった”のではないだろう。

 

もし、モモゼの能力に後者の要素を見出すとするならば、

サイールドの耳から出てきた、蜘蛛熊(?)型の念獣の方だろうか。

王子達の守護霊獣は常時「隠」状態のため姿や声は、「絶」状態で見聞き出来なくなるが、この蜘蛛熊型の念獣の方も“隠”されているかどうかはわかっていない。

ただどちらにせよ、耳の中で動き回られでもしたらその振動は届き、その程度や頻度によっては相手は日常生活を送ることにも支障をきたし、眠ることすら出来なくなってくる。

ネズミ型の方は「おヒマ?」としか話さなかったが、蜘蛛熊型の方は“具体的な命令”を告げる事が出来たとするならば、“心神耗弱に陥った相手を自ら命令通りに行動せざるを得ない状況に追い込む”こともできるかもしれない。

 

あるいは―、

ルズールスの守護霊獣も半強制型で「標的の欲望を具現化し(罠を張り)、標的が罠にはまる(欲望を満たす)事で発動する」という能力の様だ。

しかし、それだと“罠にハマった相手は体の自由を奪われる”というモモゼ型と同じ印象を受けるが、各王子達の念獣の能力を被らせてくることもないだろう。

ひょっとするとルズールスはバショウの紹介した“キレイなハッパ”により、以前から使用していたヘビィな薬物から“最近”更正できたのではなかろうか。

この描写がされるまではツェリードニヒの、

“考え無しの阿保”

という発言から、ルズールスは薬物でラリって正常な判断が出来なくなっている様な人物だと想像していたのだが、バショウと話す様子からはむしろ真逆の冷静で理知的な人物の様に感じられたのだ。

つまり、更正出来たのが“最近”だったとすると壺中卵の儀により力を授かり守護霊獣を育んでいた期間の大半はまだ薬物中毒の真っ最中だったのではなかろうか。

 

その様に考えると、ルズールスの念獣の“標的の欲望を具現化し(罠を張り)、標的が罠にはまる(欲望を満たす)事で発動する”とは、“強い依存性を持たせた相手の「欲望」を具現化し、それに手を出し依存した相手に「またその幸せを味わいたいのなら〇〇しろ」と相手を追い込む様な能力”なのかもしれない。

 

<強制型>

「相手の心身共に自由を奪い操る」タイプの能力。

ヴェーゼの「180分の恋奴隷(インスタントラヴァー)

シャルナークの「携帯する他人の運命(ブラックボイス)

イルミの「針人形(能力名不明)

ピトーの「操り人形(能力名不明)

―等が挙げられるだろうか。

「相手の身体の自由を奪い取る」半強制型とは違い、相手の心の自由すらも奪い取る能力。

 

◎口頭での命令

操作系能力者は“多くの場合”「口頭での命令」を用いるという。

カキンの念が「壺中卵の儀」に影響受けてか呪術的な要素が強い様にも思われたがそれも操作系能力の典型の1つであったことから、恐らくこれもカキンで異常に多い特徴ではなく、言葉通り操作系能力者に多い特徴なのだろう。

 

しかし言語が違ったり、病気やケガで一時的に耳の聞こえない者あるいは先天的に耳が聞こえない者、はたまた周囲の音でその言葉が聞き取れなかった場合はどうなってしまうのだろうか。

例えば“相手に自らの能力内容を説明する”という制約と誓約(リスクで威力を高める)を負いつつ、相手がそれを理解できなかったとしても威力向上が図れてしまうのであれば、“制約”の役目を果たしていない。

もしそれが通ってしまうならば、極端な話、相手が知りえない―花の中三トリオが内輪で話をする時に用いていたという“バビ語”の様な―独自の言語(入れ詞や造語)での説明でも成立してしまう。

 

よって、操作系には強制的に相手と意思疎通できる様な能力があるかと思われる。

クラピカの「人差し指の絶対時間(ステルスドルフィン)オイトの頭と直接交信していたのが、その方法の1つかと思われる。

また、正に蜘蛛熊型の念獣が排気口に入らんとする時にドルフィンは説明し始めたにも関わらず、排気口に入った時にはドルフィンは説明を終えている。

ドルフィンの説明に要した時間が極端に短いが、クラピカ自身が距離を置いた状況下での攻撃到達時間が約0.5秒と話しており、それがより敵との距離が近い状況での攻撃の応酬となれば、敵の能力の内容次第では数十秒以上もの説明を聞いている余裕もないだろう。

敵の能力の性質によっては、騒音で聞こえない部分も出て来てしまうかもしれない。

そのため、その手の能力は瞬時に相手に知らせることも出来るかと思われる。

 

しかし、その様な能力があったとしても少なくとも告知の相手が“見聞きできない状態”では使用できないかと思われる。

クラピカはモモゼの能力に対し“「念獣の声が聞こえる事」が発動の条件なら王子達をはじめ、能力者でない者には効かない能力”と考えていた。

ここでクラピカのいう念獣とは常時「隠」されている守護霊獣のことであり、能力の性質として「相手への告知」を意図していながらそれを「隠」すること自体合致しない上、もし相手を「隠」で騙せた場合、結局説明せずに制約と誓約を果たせることになってしまう。

そのため、モモゼの念獣の対象は念能力者になってしまったのかと思われる。

常時「隠」状態のネズミ型を見聞きできる能力者を対象とし、ヒマかという問いかけに反応した相手に蜘蛛熊型の憑け

カートンには見えない何かに対し、サイールドは目線を向けヒマだと応えたことから、憑いた蜘蛛熊型の念獣はサイールドのオーラを用いて

―「11人いる!(サイレントマジョリティー)」の黒ぼっこ(座敷人形のような念獣)を見る事が出来るのは術者と憑かれた者のみである様に―“サイールドにしか見えない”ネズミ型を具現化していたのではないかと思われる。

 

さて、そんなところが前回の念関連の更新以降に出てきた操作系の―とりわけ生物操作系の―新情報だろうか。

新情報のため前半で扱ったものの、生物操作は操作系能力の一端に過ぎず、その核心部分は“ルールの創出とその強制”に集約されるかと思われる。ただ、この部分は以前の念関連と変わっていないためさっくり行こうと思う。

 

◇操作系の二大ルール
1:他人の作ったルールには干渉できない(除念を除く)

2:絶対的なルールは創れない


まず1つ目、他人の作ったルールには干渉できないについて。

この大前提がなければ、ルールを強いることのできる操作系能力の意味がなくなってしまう。

但し、相手にルールを強いる念とは“相手にかける念”であり、その反射たる“外す念”すなわち除念が存在する。

 

2つ目、絶対的なルールは創れないについて。

具現化系能力が人間の能力の限界を超えているようなモノを具現できないため、操作系能力にも何かしらの限界があることが想像される。

操作系能力も具現化系能力と同様に「型にハマれば各々が最強になりうる」という性質があるものの、その一方で相手を型にハメるまでを各々の能力者が創意工夫で埋める必要がある。

それならば“能力者側がどんな相手でも、どんな状況でも、絶対に勝てるルールを相手に強いればいい”と考えつくが、それは“何でも切れる刀”を具現化するに等しい。

つまり、制約と誓約等によって術者側に極めて有利なルールを相手に強いることはできても、術者が絶対的に勝てるルール、砕けて言えば「相手にとって無理ゲー」は創れないと思われる。

 

1つ注意があるとすれば、主観的な絶対性ではく客観的な絶対性を指す。

例えば私がゲンスルーに「命の音(カウントダウン)の爆弾を付けられ発動した場合、もちろん主観的には「こんなの絶対無理!」と思うだろうが、それは単純に私がゲンスルーと比べ弱過ぎるだけに過ぎず、客観的には解除不可能なルールではないということである。

 

◎早い者勝ち

操作系能力は“早い者勝ち”すでに別の能力者によって操作されている場合は操作できないという、一見単純なルールに思われるが不明点も多い。

 

例えば、対象の右腕を操作する能力者Xと、対象の左腕を操作する能力者Yがいたとして、同時にAの腕を操作することは可能なのか。

操作“対象(同じ相手A)が同じだとダメなのか、

操作“範囲(右腕と左腕)が異なれば可能なのか、

それともやはり操作“箇所(脳の運動中枢)が同じだからダメなのか

また誘導型要請型半強制型強制型が具体的に何を操作しているのかもわかっていない。

例えば人間蟻となった後も前世の記憶を有していた者は“心”も引き継いでいる様子があるが、脳は肉団子にされた際に破壊されているため魂に蓄積されていた情報を引き継いでいることになるのだろう。

脳に蓄積されている情報が魂のバックアップ的なものに過ぎないのならば、肉体の主導権は脳よりも魂の方が上なのかもしれない。

そして肉体を操作するのが半強制型とするならば、心を操作する強制型が操作しているのは対象の魂なのかもしれない。

そのように考えると「半強制型<強制型」の様な力関係があり、半強制型が掛かっている相手であっても、強制型は操作“階層(脳と魂)が違うため効くのかもしれない(シャルらが早い者勝ちの話をしている際は互いに強制型)

 

相手に掛ける念に関しても、

守護霊獣が既に憑いている王子にもう一体憑く事ができるのかどうかをバショウが悩んでいたことから、必ずしも明確ではない様だ。

 

また作中で実際にその能力は登場していないが、

敵の能力を操作する“逆操作”なる能力も存在することが示された。

守護霊獣が壺中卵の儀によって憑けられた寄生型=術者による遠隔操作(リモート)ではなくプログラムによって動いているタイプ=自動型(オート)のため、そのプログラムを操作する(ex.コンピューターウイルス)様な類型があるのかもしれないが未出のため詳細は不明。


この“早い者勝ち”ルールに関しては操作系能力が競合する様な描写が不足しているため現段階では判断が難しい様に思われる。

 

◇念のコンボについて

念と念は連携することが可能である。

しかし東ゴルドー城突入直後、ナックルがユピーに能力を発動した際に、

「“神の共犯者”と“天上不知唯我独損(ハコワレ)”の連携(コンボ)が可能であることは無論事前に検証を終えている」

と神の声(ナレーション)が附された様に、どんな念同士であっても連携可能であるならば、事前に検証をする必要はない

つまり、コンボできない念も存在するということだ。

 

成立しない一番のパターンは、恐らく操作系ルール2(絶対的なルールは創れない)に反する場合だろう。

例えば、ノヴの「窓を開く者(スクリーム)開いた空間に取り込んだモノを“何でも切れる”能力だった場合、「神の共犯者」とのコンボは成立しえない。

ノヴ単体であれば、そもそも開いた空間に当たらない様に避ける開いた空間を当てられたとしてもノヴが閉じる前にそこから離れるという2つの回避方法があったにも関わらず、「神の共犯者」とコンボが可能だった場合、相手はそれ知覚することなく無抵抗のまま受けて死ぬことになってしまう。しかしそれは相手に不可能を強いると等しくコンボにより絶対性が成立してしまっているのだ。

よって、コンボしようとする念が操作系の色合い強いほどコンボには注意が必要となるのだろう。

 

別のパターンはコンボにより成そうする念の威力(コスト)が大きく変わってしまった場合であろう。

ただ、こちらの方はまだ改善の可能性がある。

念を「威力=使用オーラ量×制約と誓約」という簡単な数式で表すと、例えばコンボによって威力が2倍相当になったならば、数式の右辺を2倍相当にすれば成立するということだ。

「天上不知唯我独損(ハコワレ)の有効範囲が、22巻では“半径100m”と示されていたのが、28巻では“半径50m”に減少していたのは、「神の共犯者」とのコンボを成立させるために、ナックルが制約と誓約の内容を変更したのかと思われる。

 

◆ノブナガ=ハザマ

「1」の番号を持つ幻影旅団の特攻の戦闘員。

ネテロと同じくファンブック等では“強化系能力者”とされている様だが、操作系能力者かと思われる。

まず13人の旅団員の中で、腕相撲は“弱くもないけど強くもない”と言われており

1:ウボォー(強化)、2:フィンクス(強化?)、3:ヒソカ(変化)、4:フランクリン(放出)、5:フェイタン(?)、6:マチ(変化)、7:クロロ(特質)、8:ボノレノフ(具現?)9:ノブナガ(?)、10:シャルナーク(操作)、11:パクノダ(特質)、12:シズク(具現)、13:コルトピ(具現)

―各順位の念系統から考えてもノブナガは強化系能力が得意ではない様に思われる。

次にノブナガは、

“奴ァ強化系でな”“は”強化系」とウボォーを振り返り、

喧嘩になっても“素”の殴り合いでは、(ウボォーから)ボコられっ放しで、

さらにはゴンに対しては“強化系バカにャ”などと述べている。

 

この時点で既に強化系能力者ではないと思われるが、

BW号にわざわざ刀を持ち込み、フィンクスらが刀を回収していないノブナガ“の”御守を買って出ている点からも、“刀”がノブナガの能力の基盤になっており、刀がないノブナガは決して強くはないということだと思われる。

以上のことからノブナガ=操作系能力者と考えている。

※特質系能力者という可能性は消せないが、特質と思われる描写がないため特質は除いている。

 

続いてその能力について。

明確には描かれてはいないものの、それを探りうるヒントは各所にちりばめられている様に思われ、かつ状況的に次の再開時に明かされるか、死ぬかしそうなため、考えてみようと思う。

力が強くない割に攻撃方法が居合という直接攻撃を用いており、“素の殴り合い”=発を用いないと強化系に歯が立たないにも関わらず、A級首の幻影旅団で特攻の任を与えられていることや、

“タイマン専門ってゆうか、限定条件付きみてーなとこがある”

というフランクリンの発言から、“一対一に近しい状況”愛用の刀を用いた居合をもって極めて強い力を発揮する操作系能力という印象を受ける。

端的に言えば“何でも切る”様な能力だと、箔が付いて嬉しいな―と。

 

◎“何でも切れる刀”は何故具現できないのか

クラピカ曰く“人間の能力の限界を超えている”から、具現不可能らしい。

 

“何でも”―どんなモノでも切れる刀=攻撃力無限大の刀?を創るには、有限のエネルギーをしか持たない人間では具現不可能という意味なのだろうか。

そのような意味だとしてもあくまで極端に表現しているに過ぎず、人や物、念による具現物であろうとも、その硬さには限界があるからそれらを切れる刀の攻撃力は無限大である必要はなく、有限のエネルギーしか持たない人間でも具現可能の様に思われる。

 

要するに、着目しているところが違うのではなかろうか。

まず“刀”と言うと、その対象は“物質的なモノ”を想像するかもしれない。

しかし“何でも切れる”ならば、当然“非物質的なモノ”も含まれるだろう。

オーラを切ることも出来るだろうし、雷〇誠さんの玄〇ブレードじゃあないが相手のを切ることも出来るだろうし、縁切り鋏の様に対象同士のを切ることも出来るだろう。

はたまた“刀”のイメージから、刃を相手に当てることを前提にする様に思われるが、“何でも切れる”なら、刃を相手に当てなくても術者が切ろうと思えば切ることもできるのかもしれない。

つまり、“何でも切れる刀”の問題点はその“対象や条件が無制限”なところにあるのかと思われる。

具現時に術者が想定もしていなかったものはその対象にならない可能性が高く、“何でも切れる刀”は具現不可能となるのだろう。

 

ただし念は術者の心を反映するから、通常“刀”を想像した場合、基本的にその対象は物質的なモノに既に限定されているかと思われる。

しかしそれだけの刀ならば実際の名刀を買えばいいだけなので、対象を変えたり(限定したり)制約と誓約により刀の強度や威力を向上させることになるのだろう。

 

さて、そんなところで本題に戻る。

まずヒントになりそうなノブナガの戦闘(臨戦態勢時の)描写を確認する。

抵抗するキルアに対し、居合の体勢に入った上で“オレの間合いに入ったら斬る”と口頭の命令を用いている。

加えて―気に入っているゴンとキルアを斬りたくはないという理由もあるのだろうが―迎撃型(カウンター型)の様相も呈している。

そして、やや気になっているのがその体勢。次のシーンではキルアが見える程には顔を上げているものの、この体勢では敵の姿が見えない様に思われる。

キルアの並々ならぬ気迫に当てられて(嬉しくなって)、思わず“本気”の体勢に入りそうになってしまった

“本気”の時は相手の姿を見る必要はない

続いて闇に乗じて襲い掛かってくるかと思われたゴンとキルアにし対し、

“オレは太刀の間合い(半径4m)までで十分…!!(つーかこれが限界)

を展開させた。

 

◎円の広さ≠強さ

“つーかこれが限界”だけを切り取り、ネタなのか本気なのか、やたらとイジられているが“円の広さと強さ”には相関関係がない

円の広さ=強さだとすると、その広さが半径20m前後であろうプフに対し、一部分ならば2kmほども延ばせるピトーは100倍近く強いことになってしまうのだろうか。

 

ではユピーはどうだろうか。

王救出時、ユピーは多量の複眼を用いた“目視”で探索していたが、熱気や煙が渦巻き視界の悪い爆心地において、本来ユピーが使うべき探索手段は「円」であろう

オーラを薄く延ばす「円」を爆心地で使用することは自らの命を削ることにもなろうが、もはや“蟻”と化したユピーにとって自らの命と王の命を天秤にかけるべくもない
つまり、ユピーは円を“しない”のではなく、“できない”のだ(あるいは出来たとしても範囲が狭いor精度が低い)

ではそんなユピーは、プフよりも遥かに弱く、ピトーに至っては比べるべくもない程に差が開いているのかと言えば―

―もちろんそうではない。


よって、未熟ゆえにできない(or範囲が狭い)ことも当然あろうが、その者の性格、警戒心の強弱、能力との関わり、必要性、戦闘スタイルなど様々な要因により、円の得手不得手が出るのではなかろうか。

 

さて、これで脱線は終わり。

ノブナガの円は“太刀の間合い(半径4m)らしいが、ノブナガの腕の長さと刀身の長さを足しても4mには及ばないだろうから、踏み込みもいれた間合いが4mなのだろう(一足一刀の間合い)

また暗闇での状況から円を用いているものの、太刀の間合い“までで十分という言葉から“能力の有効範囲”にもなろう。

ドッヂボール時のキルアではないが、円に一定のオーラを割きつつ、十分な居合の威力を発揮するために下半身と上半身そして刀身にも一定のオーラを割き、かつ発にも必要量のオーラを割いているだろうことから、ノブナガに要求される技術は高い。

 

続いて、

ウボォーを売ったと思われるヒソカに対して迫った際だが、親友ウボォーを売った相手に対して団員同士のマジ切れ禁止ルールを守るハズもないため、口頭の命令を用いずに、また迎撃型でもない技もあるのかと思われる。

あるいは、口頭の命令という言葉尻に引っ張られているだけで、“てめぇが売ったのか?ウボォ-を”と質問をしていることから、命令や問いかけをした相手対象とできるのかもしれない。

また、スクワラを斬った際には、

“少しでも動いたら切るぜ”

“オイ 動くなって言ったろうが。直立不動で聞かれたことにだけ答えろ”

と、2度も口頭での命令をしている。

 

ここからわかるのは、ノブナガの能力はシャルナークの様な自己操作型ではないということ。

“命令を違えた者を斬る”様な能力だった場合、スクワラが命令に従わなかった1度目で自動的に斬り掛かっているハズである。

そもそも相手がいない居合切りの動作を最適化することはできても、相手がいる居合は相手に正確に刀の刃筋を立てる必要があり、相手が抵抗したり念を用いる可能性もあることから臨機応変さが求められ、最適化のプログラムを事前に組むことは難しいのだろう。

あるいは、ノブナガの居合道に反するのかもしれない。

 

また、気になったのは2点。

1つ目が、抜刀後すぐに納刀している点

その方がかっこいいという漫画的な表現もあるかもしれないが、能力の発動条件に関わっているのかもしれない。

“一刀一殺”

というと条件がやや厳しくなる様に感じるが、能力が発動できるのは抜刀後一度のみで、再度発動するためには納刀する必要があるのかもしれない(まぁ、居合自体が元々そういう技なのだろうけど)

 ※発ではなく普通に斬ることは可能


2つ目が、2度目で斬った点

パクノダの記憶を読む能力は対象が生きている必要があり、読み取るのを待った?

それとも“仏の顔も三度”の様に、ノブナガの能力に関係がある?(仏は3度でアウトだが、死んで仏となる人は2度でアウト?)

 

そして最後の例。

クラピカの指示に反してパクノダを追おうとしていたフィンクスに対し、

“待て そこから一歩でも進んだら切るぜ”

口頭での命令をした後、背後から攻撃を受け気絶している。

 

まずノブナガが気絶した点については注意が必要だろう。

いくら背後からとは言え臨戦態勢のノブナガを、具現化系のシズク(具現化物に一定量のAOPを割いており、さらには強化系能力も得意ではない)が一撃で気絶させるというのは難しいであろうことから、「緊張と緩和」の表現に過ぎない可能性も十分にあろう。

ただ、ひょっとするとこれはノブナガの能力の弱点に繋がっているのかもしれない。

 

フランクリンはノブナガの能力について“タイマン専門ってゆうか、限定条件付きみてーなとこがある”と話していた。

少し言葉を解きほぐすと、“タイマン専門ではない。が、限定条件ではないものの実質的にそれに近い性質がある”ということだろう。

団員同士、お互いの能力を完全に把握している訳でもないが、この言葉がなければ“口頭で命令をした相手”を対象として、対象以外からの攻撃に対して防御力0になるという制約と誓約もありかと考えていたが、せめて対象以外からのダメージ2~3倍だとか、だろうか。

 

あるいは単純に“居合抜き”がそのような性質を持っているというだけだろうか。

特定の誰かに刀を抜いて斬るまでの間、鞘から抜いてから切っ先が届く範囲以外、つまり後方がお留守になってしまうから、ノブナガは背中を任せられるウボォーと組んでいた(組まされていた)程度の話なのかもしれない。

 

さて、そろそろ答えを出さねばならないのだが、口頭での命令がどれほどのリスクになるかがイマイチわかっていない。

ミザイストムの「密室裁判(クロスゲーム)が、3色のカードを相手に提示して行動を制限する(青で入廷させ、黄で拘束し、赤で退席させる)―というもので、口頭の命令を用いてそれに反した者に半強制型の能力を発動できる様だ。

 

口頭の命令カード(具現化物?)を用いた迎撃型の様だが、命令とカードの提示を行った相手(複数可)対象としてマーキングして発動する非接触型なのだろう。

ただ裁判の名前を掲げている以上、基本的には自分からは暴力を振るわないという非暴力性を制約と誓約にしている様にも思われる。

(裁判結果として相手を罰する様なことはできるかもしれないが、そこに至るまでには一定のステップを踏む必要があるのかも?)

そのため一見、口頭の命令(とカードの提示)だけで相手の肉体を短時間だが拘束するという強度の操作性を有している様にも思われるが、ミザイストムの負っている制約と誓約が重めという可能性も十分あろう。

 

そのため大まかな検討にはなるが、ひとまずここまでの総括。

・居合抜きは―念抜きで考えれば―元々、極めて殺傷能力の高い攻撃方法である

・操作系能力は、例えば針を刺すだけでも相手の心身を奪うことも可能である

・ノブナガがA級賞金首の旅団の中で特攻を任されている=攻撃力が高い?

・多くの場合、口頭での命令を用いることで相手に先制を渡す形となっている=迎撃型?

・ヒソカに攻撃を仕掛けた時、口頭の命令を用いていない=いくつか能力のパターンがある?

・円が太刀の間合い“までで十分”という発言から、円も能力発動に関係している可能性あり

・キルアに対して居合の構えを取った際キルアを見ていない→円を用いれば相手を見る必要ない?→“本気”の際は自らの視覚を一時的に縛る?

・命令を破った者に自動で斬り掛かる様な自己操作型ではないが、命令を2度破った者は斬らなければならない?

・“居合切りを手加減する程、器用でもお人よしでもない”=居合は常に本気で自らの居合に絶対の自信を持っている?

・居合の性質上、抜刀後能力を発動できるのは1回のみで、再度使う際は納刀する必要がある?

・居合の性質上、刀を振るう方向が限定され後方がお留守になるため、“タイマン専門”の様な性質がある?

 

以上のことからノブナガの能力は―、

口頭で命令(もしくは問い掛け)をした相手を対象としてマーキングし、その対象が自らの円の中にいる時、愛刀を用いた居合で斬ることができる能力(マーキングした対象が自ら円の中にいた時、愛刀を用いた居合ならば、“なんでも切ることができる”能力)

 

補足

・マーキングした相手は円の外にいても位置を把握可能

・相手が円の中=間合いに入ってくるのを待ってもいいし、自分から相手に近づいて円=間合いに入れても可

・マーキングした相手が用いた念もその対象に含まれる

・自分は動かない代わりに、相手が念を用いて間接攻撃をしてきた時(その攻撃が円の中に入った時)、刀でその攻撃を切り裂くことができる上、その切っ先から斬撃を飛ばすこともできる(この時は視力を縛っているかも?)

 

制約と誓約として―示現流の“二の太刀要らず”じゃあないが―抜刀後、居合を外したら死ぬ様な気がする。

様々な念があり、未知の念能力者に対して外さないというのはかなり危険な気もするが、

敵がいかなる能力を持っていようが相手もそれを発動する必要があり、“間合いに入った状態ならば自分の居合の方が早い”という絶対の自信があるのかもしれない。

ツェリードニヒの様な能力が相手だとしても、結果的に能力によって斬った事実を覆されたとしても、一度斬った=外していないことからアウトにはならず、それどころか自分が死んでいない=居合で相手を斬ったにも関わらず相手が無傷である現状により相手の能力のヒントを探れるのかもしれない。

 

―とひとまず想像しておく。次回再開時にお披露目が来るか楽しみです。

それにしてもアメブロの書ける容量って増えたりしたんですかね。途中から容量オーバーだろうなと思って端折りつつ書いたものの、ちゃんと1つの記事に収まったね。マンモスうれピー。

 

以上。

→■4:特質系能力(その1) に続く。