本革財布を修繕 | ささのブログ

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コロナに罹患し、その後PCR陰性判定が出て8日経った。10日前にはほぼ諦めていた泊りがけの地方出張も無事終わった。陽性期間中は、味覚や嗅覚に異常は無く、最初の3日以降は微熱、軽い風邪程度の症状だった。喉痛も最初の3日間だけ。咳もなければ痰もほとんどなし。抗原検査で陽性が出てなければ出歩いていたレベルだった。

 

だが、陰性後のいわゆる「後遺症」はなかなかきつい。まず、ちょっと歩いただけで軽いめまいがすることが多々ある。それに咳。笛を吹くのは問題ないが、雅楽教室のレッスンの半分は歌うので、これがきつい。20年前はステロイド吸引をやっていた喘息患者なので、やはり弱い所に後遺症が出る。もう少し様子を見て、必要ならば漢方薬を再開する必要がある。

 

出張専用の長財布がある。黒の牛革のスリムタイプ。普段使いの財布から、最低限必要なカード類を移して使っている。たしか、近所の衣料品店で格安で売っていたのを買ったものだ。買ったときは黒一色だったが、それだと寂しいので赤いエナメル塗料で縁取りした。左側中央の赤ポチは、viewカードの位置。改札を通る際はこの赤ポチをセンサーにかざせばいい。

 

この財布、もう10年くらい使っているか。風水などでは、財布は3年で買い替えろ、なんて言っているようだが、そんな「風水」を騙ったコマーシャリズムには乗らない。気に入った財布を丁寧に手入れして、長く使うことにとやかく言われる筋合いはない。本革製品は、こまめに保革クリームなどで手入れすれば、時間がたつほどに風合いが出てくるものだ。決して3年で捨てるべきものではない。自作の本革手帳カバーなんて、もう30年来使って、あめ色になっている。が…

 

この財布、外側は匂いからしても本革なのは間違いなさそうだが、問題は内側。経年劣化でボロボロになってきた。いままで、革製品でこんな風にボロボロにくずれたのはちょっと記憶にない。もしかすると、内側は合皮なのかもしれない。前々から気にはなっていたが、内側なので、誰に見られるものでもなし、使用には問題ないので、見て見ぬふりをして使ってきた。

 

が、それもそろそろ限界。革の在庫を調べると、薄手の赤い革があったので、貼り替えることにした。まずは、ボロボロになっている革を完全に剥がす。これをしないで新しい革を貼ると、凹凸が出来てきれいに仕上がらないし、接着も弱くなる。ピンセットを使って、丁寧に剥がしていく。地味な作業だが、これが一番時間を食う。

 

例えれば、蝶つがいの内側の部分がボロボロ。この部分の元革を剥がして、新しい革を貼れば修繕は完成だ。ピンセットで小一時間かけて剥がし終えたら財布の内側と、新しく貼る赤い革に、超強力で弾性に富んだ接着剤「スーパーX」を均一に塗って、3分ほど時間を空ける。あとは、巨大な事典を乗っけて圧着。念のため、半日ほどそうして置いたら完成。

 

これまでの差し色の赤は、エナメル塗料によるものだったが、今度は本革の赤が加わって高級感がずっと増した。元のとは違って本革を丁寧に接着したので、ボロボロとひび割れることはないはずだ。黒一色だった地味な財布は、赤の差し色がお洒落な逸品に変身。これで、今後の出張が少し楽しくなりそうだ。