坂本龍一さんと村上春樹さんの共演があるという?

対談かと思っていたら。。映画だった。

 

村上春樹短編集 レキシントンの幽霊に

トニー滝谷という作品がある。

 

私は、トニー谷に関係するのか?と思っていました。

が、まったく違っていた。

トニー滝谷とはいったい誰なのか?

 

 

元々のネタは、ハワイで買った(1ドル)で

”TONY”TAKITANI
と書かれたTシャツとは誰か?

ここから発想して短編になり

映画トニー滝谷が誕生するのでした。

 

 

Tシャツ好きで、(108枚)著書迄出されています。

著書の冒頭に”TONY”TAKITANIの紹介があるという。

この本欲しいと思います。

一枚一枚の物語があるのでしょうね。きっと(笑)

 

 

 

原作は幾度か読み返しているので。。

Amazonプライムで最近映画を観る。

レンタル可となっており¥306

 

 

 

 

2004年の日本映画です。
監督、脚本は市川準。
原作は、村上春樹。音楽坂本龍一
ナレーションは、西島秀俊。
主演は、イッセー尾形、宮沢りえ。

坂本龍一さんの流れる、静かなピアノが凄くいい♬

映画に溶け込んでいる。やはり彼は天才だと思う。

西島秀俊さんの静かなナレーションがまたいい。

 

尾形イッセイ父とトニーの二役

モノクロ映画のような、孤独と喪失感が漂う演技が最高

宮沢りえさんのキュートな演技。が可愛い♡
 

小説をそのままに作った「トニー滝谷」だと思えた。 
ドライブ・マイ・カーより、私は好きかもしれない。70分


──トニー滝谷は、ほんとうにトニー滝谷だった。冒頭

太平洋戦争の始まる少し前、
トニーの父親、滝谷省三郎はちょっとした面倒を起こして、中国に渡った。
日中戦争から真珠湾攻撃、そして原爆投下へと至る激動の時代を、彼は上海のナイトクラブで、気楽にトロンボーンを吹いて過ごした。
彼がげっそりと痩せこけて帰国したのは、

昭和21年の春だった。

彼が結婚したその翌年に男の子が生まれた。
そして男の子が生まれた三日後に母親は死んだ。
あっという間に彼女は死んで、あっという間に焼かれてしまった。

仲がよかった米軍の少佐が、妻を失った彼を親身になって慰めてくれた。
そして、自分のファーストネームである
“ トニー ”という名を子供につければいいと言った。


──これからはアメリカの時代が続くだろうし、
息子にアメリカ風な名前をつけておくのも悪くないと省三郎も思った。
 

 

ある女性に恋をする。
編集者の女の子。 

トニーは言う。
「なんというか、服を着るために生まれてきたような人なんだ」
父親は言った。「それはいい」

しかし一つだけ、トニーには気になることがあった。
それは妻が、あまりにも多く、あまりにも多く、
服を買いすぎることだった──。つづく

 

原作の大ファンである監督の愛と気合いが

ひしひしと伝わってくる作品。
ちなみに主演のイッセー尾形さんも、

村上春樹のファンだという。

静かで淡々とした語り口によって浮かび上がる彼の孤独感。
服に対して異常な愛情と執着心を抱く彼女もまた、

彼と同類なのかもしれない。。


「音楽が存在していないような音楽」という監督の要求に応えた坂本龍一の静粛で儚いピアノが、
うっすらと溜まった澱を洗い流していくよう

静寂なピアノの音色は、美しくドラマに溶け込む。


良い映画でした。

        映画「トニー滝谷」予告
 

 

 

 

 

アメリカの画家である、エドワード・ホッパーの代表作、それがこの一枚「ナイトホークス」です。

夜のダイナーを描いた作品で、大都会の孤独を表現していると言われています。つい思い出した一枚です。

テーマが似ている~孤独と喪失