YOASOBIさんの、夜に駆けるの原作小説
星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』
原作を読んで
続きの夜に溶けるも読んで
世の中には2種類の人間がいるという。
生に対する欲動──「エロス」に支配される人間と、
死に対する欲動──「タナトス」に支配される人間。
小説では
エロスとタナトスが、私の脳裏に駆けまわっております
角川武蔵野ミュージアムの館長である、松岡正剛さん
ミュージアムの書籍のご案内、
書籍の読み方のご紹介動画です。
『千夜千冊』とは2000年から松岡正剛がWEB上で連載していた、
一日一冊の書物案内を、
一年かけて再編集した全集。
ノーマン・ブラウン 1289夜 (抜粋)
エロスとタナトス
生きる情動と死の衝動。
生のエロスと死のタナトス。
この二つは何としても切り離せない。
二つの発現を少しずつ瞬間のほうに縮めていけば、
エロスとタナトスは表裏一体になる。
それをフロイトは「無意識」にとじこめた。
この二つは、その本来の姿のまま取り出してはまずいのか。
どうすれば「文化」になっていけるのか。
名著として鳴るノーマン・ブラウンの本書は、
ここに博覧強記をもってその可能性を開示した。
(なかなか難しいが、そういうものだと理解する)
クリムト大回顧展に訪れた時
妖艶な女性像を描く、官能的なエロスを感じ
生命の円環には、タナトス死のイメージがありました。
クリムトの絵画の根底には「生と死」「エロスとタナトス」
というテーマがありました。
アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I
「エロスとタナトス」とは、繰り返しますが
クリムトと同時代を生きた
心理学者フロイトが提唱した
人間の無意識における概念のひとつです。
エロスとは、生の欲動。
タナトスとは、死の欲動。
このふたつの本能は表裏一体である。
エロス(生の欲動)
=「幸せに生きたい」という無意識
= ポジティブなエネルギー
タナトス(死の欲動)
= 「破壊」「破滅」へ向かう無意識
= ネガティブなエネルギー
前向きに過ごせる日もあれば、
落ち込んでしまう日もある。
クリムト 生と死
死は生の対局としてではなく
その一部として存在する
村上春樹 短編集 蛍を読んだとき
この一文は、ハッとさせられ心に深く残った言葉でした。
のちのノルウエイの森につながった短編です。
村上春樹さんの死生観はどの作品にも表れています。
クリムトの生と死も、お互いが寄り添った存在である
そのように、私は解釈しています。
タナトスが心を占領しようとした場合は
ポジティブなエネルギーも残っているので
バランスを均整に、保つ必要があるのかもしれません。
度重なる、芸能人の訃報に。。
タナトスにちょっと誘惑されて
一線を超えてしまっただけなのでは。。
そんな思いも致しました。
私の叔父もそうでした。事故か自死か不明でしたが
(他人が理解できない、深いものがあるとは思います)
人生を最後まで、生き切って欲しかったものです。