紅葉が赤く色づいて

美しい光景が、街を色鮮やかにしています。

 

ブログを始めた頃に、作曲家の神津善行さんが

ラジオ番組で、紅葉(もみじ)は、葉っぱの糖尿病であると

語っていたことが深く印象に残っております。

紅葉をみるとそのことを思い出します。

 


 

 

人間の糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために、
血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。

 

 

紅葉のメカニズム

冬になると、葉緑体は分解されてアミノ酸になります。
これと同時に葉の付け根のところに

離層(水を通さない部分)ができ、
光合成で作られた糖が運ばれなくなります。
この糖が溜まっている状態を「糖尿病」と呼んだらしいのです。

 

 

 

神津さんは植物と音の研究を20年されておりました。

そしてこのご本は興味津々です。

 

余談ですが

モーツァルトの音楽は

植物の成長に良いという説もあるくらいです。

 

植物と話がしたい―自然と音の不思議な世界 植物と話がしたい―自然と音の不思議な世界

 

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植物とのコミュニケーションは果たして可能か。
自然界の驚異と不思議。壮大でユニークな実験の数々――音楽家である著者が、

20年の歳月をかけて「植物と音との関係」を研究。

その成果を余すところなく綴る渾身の話題作。
植物には心も言葉もある。その心が伝わり、声が聞こえるのは、純粋で無垢な魂の、

選ばれた人たちだけである。神津さんこそ、選ばれた最高に幸せな人である。

――瀬戸内寂聴

著書に、何と寂聴さんがコメントを書いていらした。

 

 

僕らは奇跡で出来ている

 

 

このテレビドラマが大好きでした。

高橋一生さん演じる教授は、自然界と人間界の奇跡を人間の物差しではなく、

自然の大きな物差しで見ているところ。

神津善行さんも自然界

植物からの視点と共通するものがあります。

 

良寛さんの大好きな漢詩で

 

花無心にして蝶を招く
  蝶無心にして花を尋ぬ
  花開く時、蝶来り
  蝶来る時、花開く
  吾れも亦人を知らず
  人も亦吾れを知らず
  知らずして帝の則に従う 
があります。

 

自然の法則で、

何の計算もなく花は蝶を招き

お互いが無心で繋がっている。

 

「うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ」 良寛さん
紅葉の散る姿を自身に例えて

自分の良い所も悪い所も見せてきたのだから紅葉のように

満足して受け入れて天に還ると詠んだ辞世の句です。

 

世の中は、人間の常識が全てではありません。

自然界から得る事が、たくさんあります。

花の気持ちになって、見返りを求めず

良寛さんのような死生観でありたいと改めて

 

美しい紅葉を愛でながら、思うのでした。