
どうにもこうにも、泥濘のような日々をかい潜って、あくせく日銭を求めて、疲れ果てて、何かまた失って、繰り返しの毎日の中で、だけで、しか、響き合わない、幸福なロックンロール。
です。
30過ぎる辺りから、ロックの価値観に、敗北という概念が加味されたような気分がします。
ロストエイジの新作、ラスト曲は「美しき敗北者 GOOD LUCK」
この曲が本当に大好きです。
誤解を恐れず記せば、ピロウズの名曲「スワンキーストリート」のフレイバーが漂うイントロと、テンポ感が印象的。
切ないとか、儚いとか。
アドナインスのコード感と、引きずるようなテンポの8ビート。
ロックンロールといえば、攻撃的で、アッパーにパフォーマンスするイメージですが、結構ナイーブな表現手段なんです。
バンドマンは、ブッチャーズの轟音の演奏の中で、心を湿らせてきたように、今、彼らは、僕たちは、ロストエイジの轟音の中に身を委ね、情けなさや、向こう見ずな勇気を、溶け合わせようとするのです。
本当に素晴らしいロックアルバムです。