
読みましたけど。
なんやろな。
定説をなぞっただけなら、わかりやすいんでしょうけど、やっぱり山岸凉子「日出ずる処の天子」は傑出した少女漫画だったんですね。
でも、今でも多くの国民が抱く太子像は聖人君主。
最近では不在説も盛んに流布されていますが、ほとんどの皆さんは関心が薄い。
その時の国の政治によって、ある意味、利用されてきた聖徳太子像。
実のところ、僕自身も、聖徳太子を調べても、それほど、面白く無いかなと思っていましたが。
しかし、太子信仰とはインディーズ精神。
厩戸皇子が、実際、いたのか、いなかったのかとか、本当に聖人だったのかとか、知る由もありませぬ。
ただ、今でも、庶民の中に、太子信仰は息づいています。
仏教がこの国の風土に根付いたのには、様々な要因があると思いますが、この国特有の、おおらかな宗教観。
厩戸皇子は仏教信奉者ですが、出家せず、しかも多妻者。
後の親鸞聖人に強い影響を与えたと伝えられています。
ちなみに、うちの父方は浄土真宗大谷派。
庶民にとって、仏法は親しみやすく、今でもあちこちのお寺で、手を合わせると、有り難いような気分にさせていただけます。
なんだかんだで、仏教に、中央アジアからの宗教観がおおらかに集約されてるのかと、先日の飛鳥路で感じています。
もっと、関心を持った方がいいぜ。
上町台地を日出る処として、今も、生駒山から朝日が昇るこの地を。
宗教が生まれる背景に、ネガティブな状況があったとしても、人が、それにすがった姿は、切なく、美しい。
きっと、厩戸皇子は、そんなお方だったのだらう